第五章 国内政経編

第50話 変わりつつある自覚

※アメリカにジェーンが渡っている間の日本の出来事になります


アメリカにジェーンが調査しに帰ってしまった後、俺は今までの事について考えていた。最近の俺はどうも様子がおかしい。いくら人が襲われていたからといって殺人までして全く動揺しないというのは絶対に変だと思う。以前の俺だったらと思うと変わったなと感じる。


憶測にはなるがきっと精霊が精神に何らかの影響を与えていると思っている。

なので魔法を使うのは極力避けようと考えているが必要性があれば遠慮はしない。魔法が使えないただの人になってくると権力と言ったらいいのか、やはりお金と政治的圧力がかけられる団体といったものが欲しくなってくる。島民からのお願いもあった事だし本格的に事業を起こし、人材を引き抜いていこうと思う。


小島さんが襲われた事件の黒幕はアメリカに関連した組織である可能性が高い。そうであるならば、反アメリカ勢力というものを作らなければいけない。正直に言えば種子島に核兵器を使って攻撃されれば黙らざるを得ない。攻撃されないようにアメリカの尻尾を掴んでおくことが肝要ではないだろうか。逆に種子島に核弾頭を常備しておくのも良いかも知れない。


とまあ色々推測で考えてみても先に物事は進んで行かないし、何もならない。必要なのは金と人材そして権力だ。 D 対策本部から人材をかっさらって、ある程度まとめたら、ドラゴンから得た金銭をバンバン使ってやろう。うん、ドラコの動きも少しあやしいしな鱗は取れるだけ取って売ろう。


もともと農家だった俺に、何か物凄い知識がある訳でもないし、深く考えたって意味はないさ。借金もなく、のんびり暮らせる様にうるさい政治家を黙らせればいいだけだ。


もともと薩摩藩は政治家が多い大久保利通とか西郷隆盛とか彼らもやはり大陸や本土からの影響に対抗するために政治家になることが多いのだろう。


俺の記憶では薩摩藩はいや島津家は脱税のプロだった。幕末になぜ薩摩藩がお金を持っていたかと言うと、検地された量よりも多く収穫を得てきたことが理由の一つと言われている。


現在は節税対策で法人化しているがやはり税金は大きい。収入の50%近く持っていかれてしまう。だったら使ってしまえと思ってしまう事はやむを得ない事だろう。


金が権力を呼ぶのか権力が金を呼ぶのか、その辺りについてはよくわからないが、お金をバンバン使って周りの人を幸せにしていくことが良い事なのではないかと俺は思う。但し使うのは個人としてではなく、法人としての投資や企業を育てる資金だ。


ただお金を使うと言っても政治家が作った規制というものがある。むやみやたらと使って言っても地域の為にはならない。その一例が通信の制度だろう通信に関しては NTT が一社独占していたが NTT の回線を開放することによって規制が緩まり色々な企業が参入でき価格は安くなった。参入できたからといって良い訳ではないが、 しないよりはした方が良いだろう。

規制緩和は悪く働く場合もある。その一例が派遣法になるだろう。本来の法律である労働法はピンハネといった行為を禁止しているが、この派遣法で定められた職業については問題ないというダブルスタンダードの法律を作っている。この職業というものが全業種に広がっているため元々の労働法が意味をなさなくなってしまっている。実際は規制が入る対象では無い業種でも10分程度事務の仕事をするだけで規制緩和の対象と偽っている企業は数多くある。


他にもパチンコ3点交換(三店方式)などがこの事例に該当するだろう。最悪な事にブラック企業で残業過多で従業員が死亡しても刑法は残業違反のみなので、「6カ月以下の懲役」または「30万円以下の罰金」が科される程度の緩すぎる法律なのである。年商が億単位の企業にとってはなんてことは無いだろう。民事上で争う事は出来るが、アメリカとは違い中々証明には難しいものがある。


そういった法律を直していくには政治というのは必要である。しかし、政治家と経済が癒着すると彼らのお金儲けになってしまうと実感している。その一つが農地法である。この法律のせいで畑は売れないし色々な意味で大規模農家というのが出来てこない。


自分の意見に反対する人もいるだろう。そして賛成してくれる人もいるはずだ。 ジェーンが帰ってくるまではとりあえず権力と金を増やすことだけを考えようと思う。


そうと決まれば嫌いだけれども能力のある柳田さんをスカウトしてみるか・・・・・・・・・ 電話をしたらガチャ切りされてしまったよ。誰だよ事情を話したのは


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