第14話 借金返済
税理士さんにこのままだマズイと説明された。所得税が45%かかるので51億3千万円の45%は23億円と結構な金額である。それに健康保険料が約141,224円と年金がかかる計算だ。なので会社の資本金として51億3000万を使い役員報酬として10億程度を給与所得とした方が良いのではないかと勧められた。
ジェーンとお義父さんお義母さんは役員として株を分けようと思う 。それぞれの役員収入が5億程度で考えている。 これで人件費が25億円かかるので残る26億円をどうするかだ。1億円程度は税理士さんや弁護士さんに支払う費用として雑費とする。残る25億円で基地を10年払の250億円で買おうと思う。基地を借金して払うことによって会社収入を赤字化させ税金対策を施していく。
またグッズやネットに投稿した動画の配信映像の料金などは月末に支払いとなるため、まだ収入として確定していない。 それらについては会社の収入として計算していきたいと税理士さんより説明を受けた。
10億円の給料があれば JA 三戸であった借金は支払うことが可能であるのでちょっと安心した。しかし法人名義でドラゴンの家屋として250億の基地を買うのはちょっと心配だ。柳沢さんによると土地を安く売りすぎると癒着が疑われるので慎重に売買については検討すると話された。
調査してみると柳沢さんなどうやら1500億円程度で200人住めるように基地を作っていたようだ。まだ基礎工事な発生していなかったのですぐにレイアウトを変更し250億円程度のものに作り直してもらった。中はちょっと狭くなるが外の土地を多く買うことによってドラゴンの運動する場所も確保できた。眠る時に小屋のような形で入ってもらうことになるが大丈夫だろう。入り口の三階建て程度の門塀が非常に高くついたがそれ以外については通常の料金でできた。かなり格安物件だと思っている。柳沢さんは不満そうだがとりあえず一安心だ。
役員報酬と給料についてはジェーンと家族にも相談して了承を得ることができた。また自社株の保有比率も自分が51%残り10%ずつをみんなで分ける形になり公開株については19%公開すると決定した。
こうして会社の資産としてはドラゴンの厩舎と家屋を買った借金と、売ることもできない農地が三戸に残った。トラクターなどの資材はお義父さんに譲った。JAへの借金は消えたが新たにできた借金に頭を悩ますのだった。
しかし税金というのは非常に高いし赤字であってもこれほどの金額を取られるというのは非常に悔しいものだ。借金を全て支払ったはずなのに借金が増えてることに対して納得のいかない俺だった。
柳沢さんに D 対策本部についてすでに無くなっているので来年以降は給料がもらえないのかどうかを聞いたが、そこについては未定と言われた。勲章の受勲については東京にて行う予定なので今はドラゴンから離れることができない俺には予定を組むことができないと言われた 。中々ままならないものである。
・・・そういえば一時期ドラゴンに挑む英雄とか生贄農家さんとか言われていたがそれらは今はドラゴン撮影アシスタントと統一されている。アシスタントじゃないと大声で否定したいがなかなか難しいものである。
ジェーンにバンと背中を叩かれ
「元気だしな。お金は一緒に返していけば良いんだよ。会社の収入を増やせば良いんだ。グッズもあるし大丈夫よ」
と励まされた時は思わず惚れそうになった。姉御って呼んでもいいですか? 俺はそう心のなかで呟いた
D 対策本部が解散していないので仮設住宅やドラゴンの食費など立て替えてもらっているのでその点については助かっているともいえる。
まだ夏なのに秋空のようにすっからかんな気持ちになるのはきっと財布が軽いからだろう。そう思いながら種子島の空を見上げていた。
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