第2話:三日月

真っ暗な空間を嬉しそうに歩く少年の目の前に、ある青年が現れた。青年は、どうやら話を聞いて欲しい様だった。


ー“私”は、これでも新卒の警察官でして、ある事件の捜索をしていました。あ、でも言えばもうその事件は終結済みってところで犯行内容もハッキリと分かっていました。

その事件は、まず父親がアルコール中毒による度重なる母親への暴行により、母親がその父親に離婚を切り出した事がきっかけだと思うんです。近隣の住民の方々に聞き込みをしたところ、どうもある日を境に目撃されなくなっていましたから…

その後、父親も消息不明になって家には2人の姉弟が取り残されました。今回はその姉弟の行方を探す方針でした。

しかし、その必要はすぐに無くなったらしく捜索は終了となりました。その理由は教えられず、不服だった“私”はこっそり捜索していた家でもう一度捜索をしたところ、リビングにある脚の低いテーブルの下に古びたノートを見つけました。ノートはどうやら日記帳として使っていたらしく、日にちと共に文章がまんまるとした平仮名が多めのもので“私”は弟が書いていたものだと分かりました。

“私”はそれを職場で見ることにしました。

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