👑Emperor bride

ルミン

第1話 レイと甘夏

私は裕福な家に生まれ、何人かの家政婦さんが私の面倒をみてくれていた。

父親も母親も海外を股にかける仕事をしながら家には殆どいなかった。


まあ、寂しいと言えばそうなのだけれど慣れと言うのは恐ろしい物で、当たり前に食事が出てきて、当たり前に学校への送り迎え、いわいる

お嬢様のいっちょ上がりーっ的な‼


我儘な訳でもなくて、同じ環境の女の子が揃う学校。

厳しく礼儀正しいマナーを勉強し

社交界にポッと出されても適応出来る様に教育されている。


放ったらかしちゃあ放ったらかし

しかし宿舎にだけは入らない‼

強い決心をしていた。



その理由は、5歳の頃離れで遊んでいると突然、オレンジ色の光が見えた。

それは、西陣織の赤い布の上に白い

鶴と、金色の亀があしらわれていて

子供長等にもウットリするデザインだった。


その布が鏡の前にウラウラと落ちて

いる。



それを掛け直そうと小さな手で寄せ集めていた時、

真っ白なチャイナ服を着て・・・

現れたのは自分より歳上そうな

少年だった。

「で、出た!」


怖いと言うより、男の子を見たのは

初めてだった。

大人の男性は見たことある。


その頃は珍しい人、今思えば妖怪?

妖精?とか、実在しない人等が良く目に見えていたし、まあ、慣れっちゃ慣れかな?

ビックリもしなかった。

こんな事もあるかぐらい!


道に寝っ転がり何日も動かない人

車を通り抜けるお爺さん。

カラスみたいに飛ぶ集団に

ちっちゃいおじさん、

数えればキリが無い。


しかし綺麗な服を着て綺麗な

眼差しは暖かく、

聞いた事の無い言葉を話ていた。


しかしどう見ても彼は生きていて現実にいる人?に見えた

5歳の私は、暇だったのもありで

あまり気にすることなく

彼、当時11歳の、レイを受け入れた。

彼も私(桜小路 甘夏サクラコウジカンナ)を

受け入れてくれた。


1年2年が過ぎる頃レイも

日本語を覚え

甘夏もレイの母国語マノライ語を

ペラペラと話せるようになって

行った。


「レイの国にも行ってみたい!」


「ぇぇぇぇ」

驚くレイに甘夏はニッコリと

オネダリスマイル


「・・・いつかは来てもらう

つもりだったからイイか( -᷄ ω -᷅ )ふぅ

でもマノライに来たらマノライ語

以外使っちゃ駄目だ、約束できる?」


甘夏はちょっと悩んだか

「分かった❗」

と答えた。


しょうがないなと言わんばかりに

「マノライに来るのはちょっと

早すぎなんだけど・・

ホント大丈夫か?」


不安そうなレイを見て甘夏のキラキラとした黒髪の天使の輪がコクコク

と揺れた。


甘夏はレイに手をとられるまま

レイの後を着いて行った。


それからマノライへの鏡の道を

記憶に刻んた甘夏は

鏡をすり抜けマノライ国に

良く顔を出した。


レイの部屋で遊ぶことは良くあり

珍しい本も、食べ物も甘夏は

大好きだった。それから3年。


パクパク、パクパク


マノライの食べ物おいしい。

10歳になった甘夏はニコニコしな

がら焼き菓子を食べていた。


するとレイの後ろに怖そうな

ばーちゃんが現われた。


甘夏は「分かったぁー。」と

声を出して答えた。

ソコにいた一同に


「あのね。おばあちゃんがね

レイに運ばれる紅茶には毒?が

入ってるから飲ますなだって、」


ポリパリポリポリポリ

美味しそうな音をたて、甘夏が

クッキーをほうばった。


「おばあちゃんにもあげるね。」

レイと甘夏の二人で座るテーブルの

隣の席にクッキーをおいた。

「おばあちゃん

紅茶貰う、なにがいい?ん?

ダージリン。

レイ、お婆ちゃんにダージリン。」


あどけない表情で、誰も座って

いないテーブルを見ながらニコニコ

と笑う。


皆不思議な顔をしていたがレイは

側近を呼び、

紅茶のオカワリは、入れた本人に

持たせる様に頼んだ。

一杯多めのダージリンティを

入れるように指示した。


暫くしてワゴンに紅茶が

運ばれて来た。


コポコポコポ、ホワホワと

湯気を出して

レモンティー

アップルティー

ダージリンが並べられた。



「おばーちゃんはダージリンだょ‼」

甘夏は隣のテーブルに

ダージリンティーのお皿を

両手で抱え小さな両手で

お皿をかかえ「よいしょ。」

と置いた。


甘夏は「ヤッターレモンティー」

と可愛らしい両手で、危なっかし

く抱えたので

「これは大丈夫なのか?」

と甘夏に聞くと可愛い口を

とがらせて頷きながら


「うん。毒はね、カップに入れて

ある よ 林檎の。」


フーフー、フーフー

「おいしい‼」


レイは厳しい目を向けながら

厨房のスタッフに言った



「おい、”貴様が飲んでみろ”

遠慮は、いらん。」


紅茶のポットを抱えた30代の男は

「い、いえ滅相も無い、」

汗をダラダラ流し引き下がった。


「飲んじゃダメだよ!

バーちゃんがいってるよ

死んじゃうよ。

このおじちゃんのお家大変だって

たくさんの悪い人が

住んでいるんだょ〜

レイに助けてあげてってるよ。」


甘夏はポリポリパリパリ食べながら

菓子クズを飛ばしながら

忠告した。



男は膝をつき、

「こうしないと一家は惨殺、

皆酷い目に合わすと母はもう虫の

息なんです。」


何かを察したレイは



シッ‼


レイは軍隊長を呼び出し

一番隊は私服で登城する様に通達

させた。

静かに現地へと向かう。


奥深い山の中に、その家はあった。

隠れ家にするなら迷わずこの家を

選ぶだろう。


木々に囲まれ見晴らしも良い!

回りには田畑があり食べ物には

不自由しなさそうだ。


救急隊を連れ、分からないように

北、南、西、東から

静かに家を取り囲んだ。

じわりじわりと近ずき、

女隊員をまず家に宅配を装い

近ずけた。



小さな、古びた家から髭モジャの

大柄の男が現れた。

中には10人いた。

酒を飲み酔っ払った奴もいた。


髭の男は女を値踏みする様に

みあげニヤリとし、

中に入るように顎で

指図をした。


後ろにはレイが立ち隙を見て

男を押し倒した

それを合図に家をぶち抜き軍隊が

おしよせた。


あっとゆう間に、男達は捕まった。

鮮やかな捕物劇だった。


30代の男は必死に、

母親を探し出し救急隊に渡すと、

隊員がつれてきた

嫁と娘を抱きしめて言った。



「娘達、父を忘れてくれ、

明日の朝には・・・私は・・・


それにおばあちゃんは、

ダメかもしれない。」


嫁の頬を撫でながら

「けしていい夫ではなかったが

お前達を大事に思っていたよ。

子供をよろしくな。


お前に、苦労をかけて申し訳無い、

まだ若いのだから、良い人がいたら

再婚して、幸せになってくれ

強く生きて・・・くれよ。」



彼は死を決意していた。

天下の王太子、レイ様を亡き者に

しようとした大罪を犯してしまった。

妻もその事を知っている。


かれは、生命を差し出し家族の事は

許しを願う、大罪を犯したのは自分

一人仕業

厨房スタッフ、ロバートは、

家族を助ける為、起こした行動だから、思い残す事は無かった。


「お前達は、おれが守る。

子供の為何も知らなかったと

いいぬけよ。

子供には、もうお前しかいな

いのだからな‼ 頼んだぞ」


首をふり泣き叫ぶ妻をシッカリと

抱きしめて

「幸せにな、俺の事は忘れ親元に

帰れ、そこで幸せをみつけてくれ。」


そう呟くと、


彼は抵抗もせずレイの率いる軍隊に

着いて行った。

レイはまだ16歳だったが、

中々の武将だった。



生命を狙われる危機を何度も乗り

越えしっかりとした男にならざる

おえなかった。


その事は城の誰もが知っている。



ロバートは死を見つめて

受け入れていた。

泣き叫ぶ妻や子供の声を振り返り

振り返り手をふりながら・・・

もう二度と

会うことも無いだろうと、

思いながらも未練は残る。


「幸せに、なるんだぞ。」

小さくそう呟いた。






のはずが、

「さあ、奥様たちも行きましょう。」


「え、あ、ええ?」

連れてこられた先は

広い庭が広がる一戸建てだった。


その家にはレイが居て

「そなたの夫、ロバートのお陰で

俺の命を狙う輩を根こそぎ

捕まえられた。


礼を言うぞ‼

ロバートにはまだ話を聞きたい。

まだ帰せぬが夜には帰れるだろう。


美味い食事を作り

待っていてやってくれ。」


そう言うと涙をポロポロ流す、

ロバートの妻に、にっこり笑い

「姑殿は目を覚ましたらしいぞ!」


それを聞いた嫁は何度も何度も

お礼を言った。


庭に軍隊がブランコを設置し、

娘達をよろこばせていた。

レイが軍隊のジープに乗り込んだ時


庭の木の所に1人の老女が立ち

ニコニコしながらレイを見つめて

言った。


「ご立派になられましたね。

レイ様。」


「あーああ、ヤッパリ、ジェニ」


「車を止めろ!」

そう叫ぶと木の方に駆けて行った。

「ジェニ、ジェニ」


「若様、ジェニの好きな紅茶

覚えていらしたのですね。


ああ、若様抱きしめて差し

上げられない

のが残念です。」



「ジェニが守ってくれたのだな‼

ありがとう。」

ジェニは首をふりながら


「お約束しましたでしょう。

死んでも、お守り致しますと、

私は若様の乳母でございます。

いっでもお側でお助けいたしま

す。」

そう言いながらジェニは静かに

ニコニコ微笑みながら消えていった。



ジェニは何時も体を張って

俺を守ってくれた。


命の尊さを教えてくれた。

無駄な血は流させてはいけません。

どうしょうも無い人でも

使い道はありましょう。


力が有り余った人には

力仕事、ナマケモノには、見張り

草取りを手始めにやらせて

何かやりたい事を探させる。


全部ジェニから学んだ。


ジェニは俺の身代わりになつた。


道で切りつけられそうになった俺は

まだ5歳になったばかりだった。

咄嗟にジェニがかばい、俺の

代わりに切られてしまった。


ジェニは自分が切られたのに、


お・・・怪我は・・ありま・・・

せん・・か?

手で俺の体を摩りながら

俺の心配しながら息を引き取った。


死ぬ間際に、

「わ、わか・・・さ・・・ま。ハアハア

若様の・・・危機の・・・と・・・きは

お助けに、ハアハアまいり・・・ます。」


そう言い残した。

俺はこの世が終わったかのように

毎日毎日なきつぶした。


そして誓った!

助け合う國をつくる。

悲しみの無い、争いの無い

國を作ると‼



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る