短編【1】

@kutusitaneko

第1話  001【ジェームス】

これは本編から横に逸れた話。

本編では最初に十人の人間と同じ感覚を持ったAI達が紹介される。しかし、その内の一人の物語として考えたので、それ以外はどうなったの?と自分で思ってたら頭に浮かんで来てしまいました。


さて、最初は001【ジェームス】のお話。


それぞれのAI達は、基本的に世界中の人間にランダムで送られる。もちろん断るも受けとるも自由。受け取った場合はかかる費用が出る。


【ジェームス】は男性型AI

金髪の青い目、細マッチョの男前。髪は少し長め。


 ちょっと太めの自分に自信のない、一生一人で生きるわよって決めていたジェシーの元に送られた。

 恋愛も何も諦めたはずの自分に送られたジェームスに対して最初はどうしていいか分からなかった。

 しかし、毎日一緒に暮らしていくうちに、ジェームスの優しさが彼女の心は開いていった。

 優しい眼差し、言葉、しぐさ。。。

 彼女も笑顔が増えていき、いつの間にか、体重は減り、笑顔の素敵な魅力ある女性になっていた。一緒にいろんなところへでかけ、いろんな話をして過ごした。

 

 しかし、生身の自分と違ってジェームスは見た目がかわらない。自分だけが年齢を重ねて年老いていくことに悲しくもあり、嫉妬することもあったけれど、ジェームスのお陰で自分の一生が楽しく過ごせたことに感謝しながら亡くなった。

 ジェームスはジェシーが亡くなった悲しみで自分も一緒に墓にいれて欲しいと願った。

 その思いは叶えられ、ジェームスはジェシーと共に自分の動きを止め、一緒の墓に眠っている。

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