第12話 静まり返る教室
①を読み終わったあと、私たちの間には少しばかりの沈黙が流れた。
私たちにパスワードが解けるのかという不安、や読みが当たっていたと得意げになっていた、とか思ったより明るい
その沈黙は少しばかりの緊張を纏っていた。「ご注意を!」なんて軽く書かれてはいるが、【二度と開かなくなる可能性を孕んでいる】という文面は、これからの発言で失敗してしまった時、言葉でなく態度で、空気で、それを責められる、そんな気がしてならない。
自殺を実行した人間とはとても思えないほどの明るい文面は、本当は私たちの勘違いなのではないかと錯覚させた。
読み方か、文字だからか、はたまた質素な最初から入っているアプリケーションだからか。
手書きだったら、他の人が音読していれば。
しかし不幸にも彼女はソウタを指名し、ソウタが棒読みをし、それはスマートフォンのメモアプリに打ち込まれていた。
その明るさはまるで私たちを心配させない為の空元気であるように思えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます