第39話 日々のお仕事 6

結婚の挨拶をした翌日

結婚資金貯めるためにも当然のことながら普通にお仕事です。


「相原さんこんな感じでどうでしょう?」

「うん、いいんじゃないかな。後はインタビュー記事も必要なんだよね」


サイト更改も大詰めということで、今日は川原君と公開する社内の写真や文書などの最終チェックをしている。

ちなみに4月から始まった社屋のリフォームも来月で終了するということで、新サイトの公開もそれに合わせることになった。

後1か月でこのプロジェクトも終わる。長いようで短かった。

そして、このプロジェクトのおかげで美樹とも仲良くなれたわけだし。。


「そういえば、このプロジェクトが終わると定例会も終わっちゃうんでよね

  早瀬さんとも会える時間減っちゃいますね~」

とニヤニヤする川原君


「ん そうだなぁ~確かに寂しいけど、

  近々一緒に住むことになったから まぁいいかなぁと」

「えーーー それって結婚するってことですか?」

「あぁ一応結婚前提だけど、とりあえず同棲しようかって話してるんだ

  ついでに言うと昨日一昨日とお互いの両親に挨拶もしてきた」

「ついこの間告白するとか一緒に話してたのに

  何だか相原さんが遠くに行ってしまった気がする・・・」

「何言ってんだよ。川原君の相方さんは幼馴染で親同士も仲いいんだろ。

  俺なんかよりよっぽどハードル低く告白できるじゃん」

「まぁ今もうちに来て母さんと夕飯作ってくれたりしてくれてますが。。。」

「それなら彼女も川原君の一言を待ってるだけなんじゃない?」

「そうなのかな・・・」


ちょっと思いつめた顔をしている川原君。

でもまぁこういうのってタイミングだからね。

付き合いが長ければいいってもんじゃないし、お互いの気持ちが前向きな時がベストなタイミングだと思う。

何だか後半は雑談・恋愛相談がメインになってしまったけど、とりあえず予定していた課題整理は終わったので、今日の内部会議は終了。

後は資料を整理して美樹の会社に送るだけだ。

『川原君!頑張れ!』

事務室に戻りメールをチェックしてるとお客様から作業調整のメールが来ていた。木村さんと今村君に調整を依頼していた案件だ。

ここまで順調に対応を進めてくれていて、後は新システムへの切り替え工事のみとなっていた。メールを見たのか今村君が俺のところに来た。


「相原さん お客様からのスケジュールは深夜作業になります。

  僕と木村さんで作業を行いますが、

  万一に備えて相原さんも出ていただけるのでしょうか?」

「あぁ最初からそのつもりだから大丈夫だよ。ただ、作業自体は0時スタート

  で2時には終わるだろ、その後は俺が様子見てるから二人は一旦帰宅して

  午後出社で俺と交代だ」

「はい わかりました。それではその体制でお客様に連絡しておきます。

  当日はよろしくお願いします。

  あと、手順にレビューもあとでお願いします!」


うん。配属されてもうじき半年。小さいSE作業は普通にお願いできるようになったし、二人ともだいぶ成長したね。


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Side 美樹


「今日もまたご機嫌だね」

とかなめ。


「一昨日、広木さんのご両親に結婚の挨拶に行ってきたのw」

「おぉーーーー ついに行ってきたのね。どうだった!!」

「うん お義父さんもお義母さんもお義兄さんも凄く優しくて・・・

  それに広木さんの実家すっごーーーーく大きな旅館だったの。

  箱根の老舗旅館なんだって。

  温泉も気持ちよかったし、また遊びに来てくださいねだってw」

「何それ羨ましい!! 今度私や香澄も連れてきなさいよ!

  というか結婚したら招待しなさい!」

「うん 格安でご招待しますよw」

「そこは奢りじゃないんだ・・・」


それにしてもあの美樹が結婚かぁ~

一応私の方が1つ年上なんだけど先こされちゃったなぁ~

慎吾とも恋人同士になったとはいえ。。。結婚かぁ~


**************************


「お待たせしてすみません!」

「いや俺もさっき来たばかりだから大丈夫だよ」


仕事終わり。いつものように新宿で待ち合わせ。

今日は百貨店で指輪を一緒に見る約束をしていた。


正直なところ指輪とか女性に贈ったこともないし、美樹も宝飾品等あまりつける方じゃないということで詳しくない。ということで相場もよくわからないので、ゼクシィをチェックしつつ色々と見てみようということになった。

ということで、今回は百貨店でも高級そうなイメージがある伊勢丹のジュエリーコーナーに行くこととなった。


「わぁこの指輪素敵~ あっこのリングのデザインも良いなぁ~」

「・・・とりあえず、今日は良さそうなメーカーのパンフとか貰ってゆっくり検討しよ!」


何となく予想は出来ていたけど、これだけ店があると目移りする。。。

美樹も自身に贈られる指輪ということで普段よりだいぶテンション高めだ


「慌てなくていいから、気にいったの選んでね」

「は はい何だか結婚指輪を買うと思うと

  広木さんと結婚するんだなぁってあらためて考えてしまって・・・」


う~ん 何だろ今この場で抱きしめたいくらい可愛い。。。

まだ式の計画は出来てないけど、とりあえず入籍してしまいたい気分になった広木でした。。。

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