第36話 顔合わせ② -ご挨拶-
「うゎ~~ 凄く大きいですね。。。」
「そう?でもまぁここらじゃ老舗だし、大きい方かも」
「何となく旅館って話だったのでもっとこじんまりしたところかと思ってました。」
確かにあまり話はしてなかったけど、言われてみれば旅館といいつつも部屋数も従業員数も結構いるし、この地区でも1,2、を争う規模の宿屋だったりはする。
駐車場に車を止め、両親や兄貴夫婦の家がある旅館裏手に向かう。
新緑が凄く綺麗だ。
実家の門扉をくぐり玄関ドアを開けると春香さんから連絡を受けていたのか、父さんと母さん、それに兄貴が待っていた。
「おかえり広木。随分久々じゃないか。
そんな遠くでもないんだから、たまには顔を出せ。
それから美樹さんでしたね。
いらっしゃい 是非ゆっくりしてってください。」
と父さん そういえば確かに前に連絡したのは正月くらいだった気も。。。
「久しぶりに連絡してきたと思ったら"会ってほしい女性が居る"とか言って
こんな かわいい女性を連れてきて・・・良い仕事してるわね!」
と母さん 何だか美樹の事を気に入ってはくれたようだ。。。
「浮いた話全然聞かなかったから心配してたけど これで安心だな」
と兄貴 兄貴は結婚早かったからなぁ~
玄関入って早々矢継ぎ早に言ってくるから美樹も固まってる。。。
「と、とりあえず中に入ろうよ。ちゃんと紹介もしたいし」
「おっと失礼! さぁ美樹さんも遠慮なくこちらへ」
とようやく中に入れてくれるらしい。
リビングに移動し、春香さんがお茶を入れてくれた。
とりあえず父さんたちも落ち着いてくれたので、俺仕切りで顔合わせを始める
「今日は、旅館忙しいのに時間作ってくれてありがとう。
電話で話した通り、今日一緒に来てくれた早瀬美樹さんと結婚を前提に
付き合ってる。
だから、父さん、母さん、兄貴に春香さんに会ってもらいたくて時間を
作ってもらった」
と話し美樹にアイコンタクトを送る
「はじめまして。は早瀬美樹と申します。
27歳で都内のデザイン事務所で働いてます。
仕事と知り合い主催のカラオケイベントで知り合い お付き合いさせて
いただいています。
色々と至らないところもあると思いますが、よろしくお願いします」
と美樹。うん噛まずに上手く言えたねw
「先程は失礼しました。父の広明です。
見ての通り妻と長男と旅館をやってます。
広木は早くから東京に出ていた事もあって、身の回りの事とか色々と心配
してたんですよ。
でも早瀬さんの様な素敵な女性がそばにいてくれるなら安心です。
広木の事 よろしくお願いします。」
と父さん
「美樹のこと気に入ってくれたみたいで嬉しいけど、そんなあっさりでいいの?」
「そりゃ、広木が選んできた女性なんだから間違いないでしょ?
それとも結婚反対した方がよかった?」
と母さん
「い いや。信頼してくれて嬉しいよ。ありがとう」
「そういうこった。それに早瀬さんも真面目そうな人だしな。
仲良くするんだぞ!
あと、早瀬さん一人っ子だろ?早瀬さんのご両親も大切にな」
「私も一人っ子だったから義理とはいえ 妹が出来るのはうれしいかな
美樹ちゃんよろしくね」
と兄貴と春香さん
「みんなありがとう。美樹と助け合って幸せな家庭を作るよ。 美樹よろしくな」
「はい。広木さん」
何だか自分の事を家族が信頼してくれているということが凄くうれしい。
美樹も何だか幸せそうな顔してくれてる。
その後は、お互い事などしばらく歓談し。皆で遅い昼食をとった。
昼食後は、旅館の本館に取ってもらった客室に移動した。
案内された部屋は本館でも高ランクの部屋で内風呂で温泉が付いている特別室だった。食事も部屋まで持ってくれるはず。
眺めも良いし、いい部屋割り当ててくれたなぁ~
気分的に疲れたので二人して畳に寝ころんだ。
「どうだったうちの家族は? 美樹の事も気に入ってもらえたみたいだけど。」
「はい 皆さん優しそうな方で、広木さんの事大切にしてるんだなと」
「そうだな。親元から離れると余計にこういうのって嬉しいね。」
「あと、春香さんも言ってましたが、私一人っ子なのでお姉さんやお兄さんが
出来るのも嬉しいです」
「春香さんなら 美樹とも気が合いそうだし仲良くできそうだね
あっ この後どうする?夕飯まで時間あるけどこの辺りドライブでも行く?」
「ドライブ?」
「あぁ 行くなら兄貴に車借りるから」
「はい じゃぁお願いします!」
ということで、親への挨拶という一大イベントが終わり、気分も新たに箱根観光に出発です!
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