第13話 初デート?

「相原さん」

「んっ 川原君。どうしたの?」

「ちょっと三河さんに呼ばれて打合せしてたんです。

 それよりも早瀬さんの件この後ですよね 頑張ってきてくださいね!」

「お おぅありがとな頑張るよ」


この間昼休みに恋愛相談を受けた後、意気投合し早瀬さんの事も話していた。

川原君の思い人も今週末デートに誘えたらしく川原君も気合が入ってる。

お互いそこそこの年齢だが、真面目な話ここ数年は彼女無し。。。


二人とも昔は彼女もいたが、社会人になり仕事の忙しさで自然消滅してしまった感じで境遇も似ていた。そんなこともあり、何だか親近感もあり久々に訪れた新しい恋に張り切っている。

『本当、美樹さんは一目惚れなのかもしれないけど こんなの初めてだしな』

と帰宅準備を終え、早瀬さんの待つ会議室へ向かった。


「お待たせしました!じゃぁ行きましょか美樹さん!」

「え?(な名前で呼ばれた?)」

「あっ ごめんやっぱり名前呼びとか嫌でした?

オフ会では美樹って名乗ってたのでこっちで呼んだ方が良いのかなと思って」

「そ そうですね確かに。ありがとうございます気を遣ってもらって、、、

 じゃぁ 私も広木さんって呼んだ方がいいですよね?」

「そうですね。よろしくお願いします

 (呼ぶより呼ばれる方が何だか照れるな。。)」


言葉遣いも事務的な感じではなく、美樹さんが話しやすいようにしてみた。

今日はカラオケはもちろん楽しみだけど、美樹さんとも色々話して距離を縮めたい!

そんなことを考えてつつ新宿までの路線案内を見ると


「あっ!」

「どうしました?」

「う~ん 地下鉄で人身事故みたいです。普段新宿までは地下鉄使うんですが、

 復旧時間未定だし、混むけど山手線でいくしかなさそうですね」


ということで会社からJR新橋駅へ

道中雰囲気を和ますため軽く会話。


「そういえば、美樹さんは香織さんの後輩なんでしたよね」

「ええ 私小学校から女子校だったんですが、香織さんの妹の香澄ちゃんと同級生

 ですごく仲がよかったんです。

 それで、2学年上の香織さんにも色々とお世話になって

 香織さん生徒会長とかやっててすごい人気者だったんですよ」

「あ 何だかわかりますw あの人女性に人気ありそうですよね」

「学校出た後も色々と相談にのってもらったり本当憧れの人なんです」

「ガボールも香織さんの影響なんですか?」

「あっ ガボールは香澄ちゃんの影響ですね。香澄ちゃんが見つけてきて、

 私や香織さんもファンになった感じです。 

 3人でライブとかも行きましたよ」

「あ いつのライブ行ったんですか?俺もライブは結構見に行ってますよ」

「私は高校生の時だから10年前?の代々木体育館が初でしたね。

 本当カッコよくて、帰りは香澄ちゃんの家に泊ったんですが朝まで3人で

 語っちゃいましたw」

「いいなぁ 俺は周りにファンが少なくて一人で行ったんですよね~

 そういう友達とか彼女欲しかったなぁ」


などと話しをしてるうちに新橋駅到着。

美樹さんの緊張もだいぶほぐれたのか、得意分野の話だったからかすごく饒舌。

『やっぱり美樹さんと話ししてると落ち着くし楽しい!』

改札を通り山手線に乗り込む。

やはり帰宅ラッシュの時間帯。混み方が半端ない。。。

そして、品川駅でさらに人が乗り込んできた。

後ろから押された俺は気が付くと何となく美樹さんを壁ドンしているような体制になってしまった。しかもお互いの顔の距離が近い!!

三河が居たら"中高生かよ!"と突っ込みを受けそうなくらいお互い顔を赤くしている。


「やっぱり凄く混んでますね 大丈夫ですか?」

「ひゃ ひゃぃ」


美樹さんちょっと涙目だし顔も真っ赤だ

そりゃ俺もこの至近距離は恥ずかしいからなぁ~


その後、恵比寿、渋谷と人の乗り降りがあったため、少し体制に余裕が出来たけど何となく言葉少なげに何とか新宿に到着。


予定より少し早く着いたので、美樹さんと初めて出会ったファーストフード店へ


コーヒー飲んでお互い少し落ち着きましょ

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