第5話 日々のお仕事3
「相原。昼どこ行く?」
と三河。まだ11時なのにもう昼飯?
まぁ今日は珍しく電話もメールも少ないけど、もしかして暇なのか?
「悪い 今日は午後外回りだから適当になんか途中で食べるわ」
「外回りだっけ?」
「お前には言われたくないぞw サイト更改の定例会だよ」
「んっ あれうちの事務所でやるんじゃないのか?」
「本当はそうなんだけど、会議室埋まっててね。他にも客先行く用事があるから
今回は須藤さんとこでやることになったんだ」
うちの会社 株式会社ライズは、いわゆるSI屋だ。
大小さまざまはお客様へのシステム提案や構築・運用等の業務を請け負っている。
小さいながらも会社でビルを借りてるのでそこそこの広さはあるんだけど、最近業務拡大にあわせ社員数が増えてきたので打合せスペースが不足気味なんだよね。
今やってる改装工事が終わればもう少し余裕は出るはずなんだけど。
「そか。じゃ俺は自動的に欠席だから早瀬さんによろしくなw」
「そこ更改の打合せ頑張れよとじゃないんかい!
というか本当最初の会議だけだな出てくれたの」
「もちろん 相原を信頼してるからさw」
「はいはい」
ということで、午前中は事務仕事を片付け銀座線で南青山の須藤さんの事務所へ
ちなみに昼飯は新橋駅地下街で直○のラーメン。
ここのラーメンは、シンプルな醤油ラーメンで中々旨いのですw
「株式会社ライズの相原と申します。13:00から早瀬様と打合せのお約束をしてい
るのですが」
「早瀬ですね。少々お待ちくださいませ」
須藤さんの事務所の受付。
株式会社フローラは南青山のビルの1画にあるデザイン事務所だ。
元々は各種デザインの専門集団だったみたいだけど、WEBサイトの構築・運用もここ数年で始めたらしい。実績レベルではまだそれほどではないらしいけど、個人的にみてサイト作りのセンスはいいと思った。
須藤さんとうちの社長が大学の同級生ということもあり今回の話が出てきたけど、普通に競合他社と競合しても推せたんじゃないかな。
「お待たせしました。こちらへどうぞ」
しばらく待ってると今日もスーツでビシッと決めた早瀬さんが受付に来てくれた。この間のライブの姿とのギャップが凄いけど、これはこれで俺好みw
会議室に通されるのかと思ったら、何だかカフェの様なおしゃれなオープンスペースに案内された。
その中でいくつかあるモニタが設置されたテーブル席へ
何だか流石デザイン系の会社というところだね。。。
「今、お飲み物お持ちしますので少しお待ち下さい」
「ありがとうございます。今日は須藤さんは不参加なのですか?」
「はい 基本は私が進捗報告含め打合せに参加し、必要に応じ技術担当やリーダ
の須藤にも参加してもらう形をとります」
「了解しました。うちもそうですね。基本は私が対応し必要に応じて三河やほか
のメンバが参加する形になります」
この間のライブで、少し打ち解けた感じがしたけど流石に仕事の場では砕けた感じじゃ駄目だよな~
と少し残念な気持ちも持ちながら、両社の進捗状況と進め方の確認、納期等の話を小一時間。
「今日の予定課題は以上ですね。何か急ぎの確認や対応あれば電話かメールでや
り取りするということでお願いします」
「承知しました。相原さんはこの後事務所に戻るんですか?」
「いえ もう1件新宿のクライアントのところで約束があるので。
新宿ということで終わり時間次第ですが、香織さんのところに顔出して一杯
やってから帰ろうかとw」
「そうなのですね。それでは先程話した構成案はこの後メールで送りますので明
日ご確認下さい」
「・・・了解しました。それでは本日はありがとうございました」
と軽く挨拶をして事務所を出て、次の目的地の新宿へ
ここからは大江戸線が便利。
しかし、会議終わったし少しくらいなら話も出来るかなと思ったけど仕事中だしな。。
多分、プライベートを仕事に持ち込まないしっかりした人なんだろう!
*****************
Side 早瀬さんとかなめさん
「美樹~ どうしたの顔固まってるよ?」
「かなめ~ やっぱり駄目だったよぉ~」
「あ、気になる人が来る定例会って今日だったっけ」
とかなめちゃん。私涙目。。
折原かなめ。私と同期入社のデザイナーで美術大学時代からの親友。
ショートカットにサバサバした性格で同性にも人気のある自慢の友達だ。
昨日一緒にランチに行った際に相原さんのことを相談してたのです。
最近はだいぶ改善されたつもりではいるけど、私は結構な人見知りで"仕事"と割り切ってないと中々親しげに話ができない。特に高校まで女子校で男性との会話なんてハードル高すぎ!!
「美樹ってかわいい系なんだから、ニコニコ笑顔で応対してればだいたい好意は
持ってくれそうな気がするけどなぁ~」
「その笑顔が難しいんだよ。仕事と思ってたから必要な話はできたけど、受け答え
も事務的になっちゃったし、帰り際に相原さんが、香織姉のお店の話を少し
してくれたときもスルーして納品の話とかしちゃって」
「意識しすぎなんじゃないかな ステージとかカラオケ行ったときは結構男性と
も話しできてるみたいじゃん。
仕事中雑談ばかりなのは問題だけど、しばらくは毎週定例会あるんでしょ。
あ、スーツやめていつもの私服で打ち合わせ出てみたら?多分そっちの方が
破壊力強いよ!」
『破壊力って。。。』
確かにうちの事務所はスーツ必須ではないし(私が勝手に着てるだけ)ほとんどの社員は私服でかなり自由な社風ではある。
「相原さん 私服の方が気に入ってくれるかな?」
「うん 頑張って相原さんに告らせちゃいなよ」
「が、頑張る。。。」
*****************
新宿西口の雑居ビル
「それでは、本日はありがとうございました。
見積もりは明日あらためて送付させていただきいます。」
新しく導入するサーバの打合せ終了。
サーバを1から構築する機会はそれほどないし新人君たちに任せてみようかな。
等と思い時計を見ると17:30
『直帰でいいかな』と事務所に電話をして直帰する旨を伝言。
前の部署では考えられないような時間。
異動直後は、早く帰っても時間が余ってしまい退屈だったけど、最近は色々と楽しめる趣味や友人も出来たし早く帰るのも悪くはないと思い始めている。
脱社畜というところかな?
『香織さんのところ寄るつもりだったけど、まだ開店前だよな。。』
何か夕飯食べて、カフェで時間潰してから行くかなと、とりあえずBarのある歌舞伎町方面へ
『へぇこのビル表通り側の1Fはブティックなんだ』
香織さんのBarは裏通りから地下に階段を下りたところにある隠れ家的なBar
いつも遅い時間帯に裏道から行っていたので表通り側のお店は初めてだった。
『ん あれ香織さん?』
何気に見たブティックの中。
接客をしている女性が一人いるが、この間のライブを見に来た時と同じゆるふわ系の服を着てはいるがどうみても香織さん。
『なんだ?バイト?』
とりあえず接客中の様なので『後で聞いてみるかな』と一旦夕飯を食べに移動
この日の夕飯は歌舞伎町入り口にあるに○むらのとんかつ。たまに来るけどやっぱり美味い!
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