第3話乾いた水差し
乾いた水差しに花を生け
薄く引いたルージュに蛇口を委ねます
御者のいないハイヤーはスベらかに
濡れた路面は南瓜の嘲笑が
ぎらついたネオンサインを金に孵る
闇夜に眠るドラキュラだって
昨日は紳士だったの
杭を打たれたまんま 息も絶え絶えな雪見窓は
ほんのわずかを照らす 砂時計の世に反転して
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