第11話「蒸発」

このアスファルトの地面の温度は何度だろうか?

落ちた汗の滴は一瞬で蒸発した

真夏の暑い盛り。海水浴場に向かうために僕らは2人で国道を歩いていた。

喉がカラカラに渇く。これ以上汗が出ないのではないか?という程に汗をかいた


炎天下


轟々と太陽が輝く

そんな昼下がり


気化した液体のように、自由に宙を流れていければ、どれほど気が軽やかで楽だろうか。


灼熱と化したアスファルトの上を歩きながら、ぼぅーっとそんなことを思った



ほんとは何にも考えたくはない

それが許されるのは夏の間だけであるし、初秋になればすぐに我に返る。


あぁ今すぐにでも蒸発したい

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