無垢なお姫様は敵国の国王に愛されて

リナ

第1話 敵国との休戦協定案!

フレイブルク大陸の王都フレイブルクは今まさに

長年の敵国にして、南大陸アウリオ、ゼルクベール王国との戦争の真っ只中にあった。


毎回、凄い数の死者がフレイブルク大陸から出ており明らかに劣勢だった王国にとって、敵国であるゼルクベールから休戦協定が出された時は自分の耳を疑ったが、紛れもない事実にフレイブルク王国国王ブルク王はその協定を苦湯を飲む気分で受けいれた。


その協定内容とは、『貴殿の国の姫を和平の証として婚約者として

我国国王アステルと婚姻を交わすこと』だったのだ。

当然、その話は早々に姫、シラユリの元にも届き。


涙を流し嫌がったが、嫁ぎに行くことを強く父親に諭され、今に至る。


シラユリは金色の綺麗な長い髪の毛をブラシで梳かしながらため息を1人ついた。


背丈は長め、胸が少しこぶりなことを除けば、シラユリは誰もが認める立派なこの国のレディその物でその姿は民でさえため息を着くほど美しかった。


シラユリはゆっくりと当たりを見回して

自分の給仕役に

「ねぇ、アメリア、私、少し怖いのよ、彼は婚約者とは言え前は我が国を攻め入って来ていたわ、あまり信用したくないの」

そう言い、渡したアステルの情報にため息をつけば

「さっ、姫、頑張れ」

そう言いながら片手を差し出したのでその手を撮ると

そう言われて出口までまだ時間はない。


そう言われたまま、シラユリは俯いた。

「シラユリ」

船内を見せてもらう一点に細かい指示はいいからと皆からはもちろんですと 答えられて1人寂しそうにしていれば……。


アウリオ行きの船は音を立てて動き始めた。


30分程の航海になると船長に言われれば

シラユリは悲しそうに船長に

「今からでも、フレイブルクへ帰りたい」

と嘆けば船長はため息をついた。


「納得は行って無いにせよ、私に言われても何も出来ませぬじゃ、姫様」

そう言われてシラユリは頷くと

「少し、1人になりたいの」

と言えば船長はまた頷き

「30分間あります、少し気持ちを整理なさると良いでしょう」

そう言いながら船室を出で行ったのでシラユリはベッドに駆け込むとバタっと音を立てて掛け布団にすがりつくと大粒の涙を流し1人ひたすら泣き腫らした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る