僻地で始める開拓事業【王国見切って新国作ろう】
張果仙人
第1話 始まりは【荒野】
荒涼とした平原にポツンと存在する掘っ立て小屋、茫然自失の所に此処まで連れて来た子爵位の者が口上を述べる。
「此より、勅を伝える。先の戦時で有った謀反、其に関わって居なかった汝は陛下の恩情により王命として死の荒野で開拓を命ずる、3年は無税とする為見事に開拓を成功させよ」
その言葉を述べた後、王国金貨1000枚に麦一袋を残して去って行った。
此処は死の荒野と呼ばれるガイフォード王国とエイルザート森林国、バウザー帝国の3国が交わり、3国が領地にする事を諦めた空白地帯、ある意味爵位を持った者を恩情によって殺害する為の場所である。
自分の居たリット家は先の内戦時に中立で有ったが謀略に捲き込まれその際に両親共に死亡、残ったのは自分のみ、内戦だったので金策に困って居たガイフォード王国は其なりの税収が有ったリット家の領地を取り上げて残った俺を恩情と言う名の追放刑、つまり1から開拓事業をしろと言って来たのである。
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