約束の丘

第１話 丘の上の呟き

　ー丘の上の呟きー

　俺はこの丘が好きだ。街全体を空から覗くように見渡すことができる。夕方には太陽が山に帰る姿をダイナミックに見送る事ができる。この丘は俺の街では「約束の丘」と呼ばれている。詳しい名前の由来は分からないがむかし武士の男が約束した丘と言われている。

男）「生まれ変わっても必ず君を見つけるから。この想いを伝える為に、、、君を守　　　る為に」

きっと武士は誰かに恋をしていたんだろう。武士の事を考えるとなぜか心の奥がちくっとした。夜はいつも都合が悪くこの丘に来た事がない。夜の丘もきっと綺麗だろうな。

　私はこの丘が好き。夜になると星のカーテンが広がっている。虫達も夜は名演奏家ね。この丘は私達の街では「約束の丘」と呼ばれている。詳しい事は分からないけど昔、お姫様が約束したみたい。

　姫）「私は生まれ変わってもあなたを待ってる。ずっと。いつまでも」

お姫様の気持ちは分からないけど何故か鼓動が何かを伝えるかのように大きく聞こえた。ここは夜しか来れない。お昼の丘はどうなんだろうか。