第76話

足や腕をまくり上げられ傷の手当てをする


大丈夫、これは傷の手当だから恥ずかしくない



そう自分に言い聞かせていたのだが

「アナ?どうした?痛い?」


無意識に震えていて心配そうに顔を覗き込む



「えっ!?だ、だ、大丈夫です」

…顔が近い

「ならいいが…本当に傷がないな」



「えぇ…表面上の怪我は直ぐ治ります。骨が砕けていた場合は3日くらいでつながると思いますが」



「骨に異常はないのか?」


「えぇ、問題なく。痛みもありません。」



「…アナ…」


肩を軽く押され視界が天井を映し出していた



「だ、ダメです。ユノ。婚約式は明日でしょう…今日は大人しく…」


ユノが私に覆いかぶさり身動きができない。

揺さぶっても返事はない


「…スゥ」


「…寝てる…?」




ユノに布団を被せ横に転がるようユノの下から出た

「ふふっ。明日が本番なのですから、今のうちに休んでください。」



「さて…私は…っ」




心臓が痛い…、力を使いすぎたか…




「残り一本持っててよかったわ」



それはユノに取り上げられた薬だった



「…さてと。レオン話があるのでしょう?」



「あぁ隣の部屋で待ってる」



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