第42話


「血の契約は鬼族でもごく限られた者しかしらない事よ。だけどどこかでその情報が下位の鬼たちに漏れてしまった」

「それってまさか…」

「ヴァンパイアっていうのは下位の鬼族の血液で作ってしまった血の契約のことよ」


「でも上位の鬼にはできないから、下位の鬼は人間を従わせることにしたの。血の乾きという副作用付きでね

普通だったら一度交わした契約は交わした鬼が死なない限りは契約は消えない。だけどヴァンパイアの血には複数の鬼の血を混ぜているものらしく契約が消えない」


「だが一度した契約をどうやって書き換えた」


「それはねザクが飲んだ血の上位であること、最初に飲んだ血の量を上回る量を飲ませることで上書きすることができる。その上で鬼に変えることもできる」



「ですが、奴らの数は多くヴァンパイア全員を救うことは私にはできない。特例は作ってはいけない」


「特例を作ってしまえば、人間側でもそれを要求されるから秘密だったのか。クロードとの契約も使用人だったから?」



「そうよ。」

「ザクとクロードと契約している理由は分かっただがレオンはなぜ契約しているんだ?」


「私はレオンではなくソマリ=オスカーとしていた彼と契約したの」


「なんだそれは」


「本物のレオン=シルビアっていうのは数年前に病気で亡くなっているの。ソマリが養子に入って彼の姓を名乗っているといえばわかる?」


「レオンとクロードって兄弟なのか?」


「そうよ」


「だったら交わした血の契約は今も有効なんだろう?何でさっきやらなかったんだ?」



「秘密がばれると思ったから。彼にはティナは死んだことにしておいたから」


「どうして…」

「鬼の一族は例外を除いて二つの名を持つことは禁じられている」



「例外…?」



「そう、影の部隊、工作員のように潜入するときに使う名を除いては持つことはできない。私や、レオンのようにアナに成り代わったり養子にされたりする場合は前の名前の人物は死んだことにするのが普通です」


「…だから兄貴なのにクロードはレオンに様をつけていたのか」


「えぇ、身分的には向こうの方が上ですから」











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