第25話

「それは一体どういう方法なのか?」



「ここからは…この人以外にはお教えできません。銀で作られた刃物よりも大事なことなので…隣の部屋借りますね」



「…分かった」



「よろしいのですか…?彼と二人きりにして」


「良いわけないけど…深く踏み込んで嫌われたくない。期間限定の婚約だとしてもだ」



「まぁ、ユノ王子はああいう娘の接し方は不得手ですからね」



「悪かったな」


「いえいえ褒め言葉です」



「…あの…先ほどは」


先ほどまでの作ったような笑みは消えた

「さて直ぐ取り掛かりましょうか…話はそのあとで」



「わかりました」




銀のナイフを自分の手首に当てる

「…っ」



銀のナイフはちくりとした痛みとともに血をもたらした


用意してあった受け皿にその血を流し込む


「飲んで」


そういって受け皿を渡すとタオルで止血した

「お嬢さん…この量は」


「早くしないと発作起きるよ」



発作が怖いのだろう言われるがまま飲み干した




「どう?体調は…」


「喉の渇きがなくなったような」



「そう…後謝らなくてはいけないことがあってね」



「私はアナスタシア=テンペスタなの」



「王子たちには黙ってるってことですか?」


「えぇ…」


「じゃあ女王っていうのは…本当の話で…ティナっていう人物は一体どこから」


「ふふユノにはまだ内緒ですよ」


そういうと私は自分の正体を語りだした

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