第6話


先ほどのオドオドした感じは全くなくて驚いた



本当に同じ人物なのかと



いやいかん即位前とはいえこの国を背負う王になる身が子供におびえていては

「どうかしたのか?」


「先ほどの件について少しお話したいと思いまして…聞かれるとまずいでしょう中でお話ししましょう」



そういって少女は部屋に入れてくれた




「…先ほどの件…妃についてですがそのまえに…私は、鬼の国第2皇女ティナ=テンペスタと申します」

この方々に悪意は全く感じないとはいえ、完全に信用できるまでは私はアナスタシアとは名乗れない


「これは驚いた…まさかあの女王に妹がいたとは」



「いえ…私は彼女の義妹に当たります。鬼の国は少し複雑ですから…その辺も含めてお話いたします」



「私たちの一族は王族、貴族、平民と3つに分かれています。代々受け継がれる由緒正しい血筋には王族。血筋に関係なく鬼の力が強い一族に貴族。そして鬼と人が混ざった血筋が薄いものには平民の地位が与えられます」



「じゃあ女王がやろうとしていることに反対する輩もいるってことか」



「えぇ…王族はテンペスタ家、ノヴェル家、ウェスカー家、マーシェリー家に分かれててこのうちウェスカー家マーシェリー家が反対している状況です国に連絡がつけばいいのですが…私の居場所を知られるのはまずい」



「お前の立ち位置はどうなってるのか?」


「私はノヴェル家からの養子としてテンペスタ家に協力している状況です」



「失礼ですが、どうして養子に?アナスタシア姫がいるのなら貴女は行く必要がないのでは?」

「ノヴェル家の半数が数年前のある事件で謀反を起こし逆賊になってしまい、責任として兄が処刑されたのですが、私はその前にテンペスタの養女になっていたので兄たちと無関係ということで助かったのです」


「半数…それじゃあ均衡は今保っていないということなのか?」



「いいえ、私たちは呪術師の家系で半数消し飛んでも均衡は崩れない。」


「呪術師…具体的にはどういうものだ?」



「呪術師には基本的に武器の生成や身体強化を行えるものがいます特例ではありますが私のように人の悪意をより強く感知すること。より心に傷を負った者が強い呪力を得る者もいます。私の場合は親友を目の前で殺されたことで目覚めたのでしょうね」

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