　合っていたなら撫でてもらえる。

　間違っていたならただ冷たい目を向けられる。

　ごめんなさい。きっと僕は正しい答えを覚えるから。

　正答なら○をもらえる。

　誤答なら×がついてくる。

　○をもっと増やしましょうね。がんばりますと僕は言う。

　それが本当の答えだから。

　誤答は当然、非難され。

　正答数のみが評価される。

　正答は何ですか。正答を探し出すのが仕事です。

　ママも先生も上司も客も店員さんも駅員さんも、正答をのみを僕に求める。

　答えはどこにもありません。ナレーターは簡単に言う。

　答えを尊重し合いましょう。有識者はそう宣う。

　答えはいくつあっても良いのです。どこぞの聖人は僕らへ微笑む。

　あなたの答えは何ですか。

　僕の答えは、何ですか？

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