猿の生首屋
猿に酷似したお前の
顔面に空いている幾つかの穴の中の一つから
声が出て来たことには驚いた
「あろまてらぴー」
そのようなことを口走った
あんまり調子に乗ってると殺すぞ?
おれはそう恫喝し、実際に殺してみることにしたのだ
猿に酷似したお前の生首が切り離されて
おれに掴まれてぶら下がっている
企画が炸裂をする
「おれ、猿の生首屋さんになろうかな」
ふとそう思ったのだ
「なんまあくびぃ~、なんまくびぃ~、新鮮なぁ生首やあ、いかがっすかあ~」
近所の主婦たちには好評だろう
何故なら猿の生首はなかなか手に入らない
それだけでもう凄いのだ
「四万円になりやぁす」
おれの設定するときめき価格に主婦はお買い得感覚を刺激されごっそり購入しようとするだろう
そんな時のために用意した言葉がある
「一人一個までです」
時代が選んだシステムに愚民は平伏する他無い
おれはぺこりと頭を下げた
下げた頭を上げると奥さんがまだ十分に張りのある乳をぽろんと露出させていたことには驚かされた
「えぇっ! まじなのかよ! こんな清楚な奥さんが乳を路上で出してしまった?」
危険なミセスからの誘惑
「仕方がないな………」
そう呟きおれが吸い付こうとすると奥さんはさっと腰を引いた
ふふっと笑った
「だめよ、まずは先に猿の生首をいただいてからね」
さすがはエロくてもしっかりと主婦してる
おれはまるで自分が西部劇のガンマンにでもなったかのよう「オーケー」と呟き取り引きに応じるのだ
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