この街を守る


おれのちんぽが騒ぎ出した

「ざわざわ………」

何かが起こる予感がした

今宵の風は魔性の空気を孕んでいた

早速アーモンドカレーを食べることにした

りんごとはちみつと、あとセシウムが混ざっていた

うまうまっ

「母さん、ちょっと愛と平和を取り戻すために戦ってくるね」

母さんはシャワーを浴びていてビチビチとうるさかった

「にゃー」

飼い猫のアレキサンダー十七世が代わりに返事をした

おれは夜の街を駆け抜けた

(敵は一体、何処から来るのだろう?)

エヴァンゲリオンの使徒並みにわからない

俯いて自らのちんぽレーダーに問いかけた

それはぱっと見、頭がおかしい人だった

そして二回に一回はちんぽに無視された

自分のちんぽに

「おいっ」

おれは容赦無くちんぽを引っ叩く

「無視すんなよ!」

「はわわ?」

ちんぽが目覚めた

寝ぼけていたのだ

「しっかりしてくれよ、もー」

「ごっめんごめーん」

会話が成立した

どうしてちんぽが喋るのかはよくわからない

(………何かがおかしい)

おれはその時、突然そう思った

自分のちんぽと話すことが何か異常事態のように思えてきたのだ

だが思っただけ

そしてそれは雪崩れ込んで来る日常の前では何の効力も持たないのだ


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