名前は


新たに出現した麺街道

ぐごごごっ

暖簾を潜ると野蛮な大将に見下された

まろやかな酸味に対してやや興奮気味だけど

おれたちの瞳は既に死んでいる

「あいつ元気か?」

勿論、元気だ

元気な死に損ないだった

夢も希望も無い

あるのは税金だけ

懲役死ぬまで

素敵な星の下で圧死

それがおれたちに与えられた定め

まだ何もわからない子供の頃は楽しかった

世界は縮んだ

そしてこんなにも下らない法則に基づいて形成されているのかと

がっかりさせられた

おれたちは愛したかった

けれど裏切られたのだ

初めから裏切られていたのだった

どうしてまともに生きられる?

世界はこんなにも狂っていると言うのに

幸せなふりをするのはもうやめよう

ほっこり画像の収集はやめよう

誰か本当のことを口にしてくれないかな?

せめて

せめて今おれたちを包み込んでいるこれの名前が絶望なのだと言うことを


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