苺狩り
苺狩りに出掛けた少年少女が
まだ帰って来なかった
それぞれの母親たちは
それぞれの子達を心配した
「あの子、無事なのかしら………」
相手は苺だからと甘くみていた
子供達だけで行かせたのが間違いだったのだ
テレビを点けた
画面の中ではちょうど行方不明の少年少女についてのニュースが流れていた
「………今回の失踪事件、どう思われますか?」
問われた苺狩りの専門家はゆっくりと口を開いた
「最近の苺はまさに『苺狩り』という呼び名にふさわしい凶暴な側面を持ち合わせています」
確かに一理ある
母親はそう思った
スーパーに置かれている苺とは違って野生の苺なのだ
聞いた話しでは牙を持つものさえ見受けられるらしいのだ
以前はそんな苺を見かけることはなかった
………
あの古き良き時代は一体、何処へ行ってしまったのだろう?
深夜 息子はまだ帰って来ない
「ただいまー」
無能な旦那の帰宅
わたしは人生が大幅に傾くのを感じた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます