夏のある日


おれは制御不可能なものを

手玉にする方法を考えていた

近所の寿司屋は半壊

おれたちは気分爽快になる必要があった

視界には

のたうち回る猿、猿、猿

見渡す限り猿の群れ

「ふう………」

おれは溜息をついた

これから起こる出来事が手に取るようにわかったのだ

猿が木から落ちて全身打撲によって死亡

拍手喝采

まるで振り回され飛んで行ったパジャマみたいだった

「これはおれの人生と何か関係があるのか?」

関係ないね

いや、もしかしたら兄弟かもしれない

おれはおれの影と一緒にこの狂った世界を駆け抜けることにした


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