迷子


最初からずっと迷子だったから

その状態が当たり前だと思っていた

道に咲いている花に

勝手に名前を付けたりして遊んでいた

本当の名前なんて興味無かった

最初からずっと迷子だったけど

わたしには帰るべき家があった

太陽が沈むとそこへと戻った

いつも知らない人達が椅子に座っていた

「あなたは誰ですか?」

そう尋ねようとして

気付くのだ

それが自分をこの世界に誕生させた父と母だということに

やがてさよならするだろう

わたしの本当の家を見つけるために

旅立つのだ

わたしの本当の家………

わたしはなんだか嬉しくて笑っているのだろう


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