私、40手前なんですがね。

あきゃ衛門

第1話 あれ?気持ちいいとはなんですか?

私、花屋雅次(はなやまさつぐ)。もうすぐ40。そんな年齢であるが、清い体である。いわゆる童貞。魔法使いではない。追記に処女も加えておこう。そして今夜、不感症も追記された。

 疲れている? いやいや気持ちよくなりたい程度には元気溌溂だったと思う。ただかれこれ2時間。そろそろ腕が釣りそうだなぁ、なんて考えていた。は? いやいや待って。いつもならつい声まで出そうで必死に食いしばる勢いだというのに、これは一体どういうことなのか?

 私花屋雅次。もうすぐ40。童貞。処女。そして、不感症。笑おう。一物を仕舞って手を洗って今日は寝よう。きっとおかずがいけなかったのだ。それか知らぬ間に疲れが溜まっていたのだろう。そう、女性経験もなく、実はゲイのくせしてそっちの経験もない清い体はお疲れなのだ。今はきっと性欲より睡眠がほしいのだ。そうだそう言うことだ。

 そうして俺はなにごともなく布団に入って程なくして眠りについた。




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