第104話 結婚式の招待状

 平成二十六年の手帳に記されたメモ。

 五月十一日の日曜日。

「娘から結婚式の招待状を渡される」


 字が書けないから、「結婚式に来てね」と言われたのか、手紙らしきものを渡されたのか。記憶がない。

 いつも「おとうさん、だいすき」と言いながら、「ぶちゅー」と迫ってきた娘なので、私との結婚式だったのか。

 あるいは、幼稚園の初恋の男の子との結婚式を夢見ていたのか。

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