第95話 恐怖の強制執行! 家砕が娘を奪いに来た‼

 事の発端は、妻が申し立てた嘘の裁判でした。

 私が無職無収入で、生活費も渡さず、育児もせず、妻だけが地獄の思いで働き、家計を支えて、育児もすべてこなしていたそうです。すべて嘘ですが、裁判のあと高裁へ栄転された家裁の裁判官は、女性の嘘をすべて受け入れました。

 実際の生活は、私にとって人生最大の地獄でした。心理臨床センターの臨床心理士が言うように、きっと彼女は発達障害だったと思います。もし、彼女本人が発達障害であると告白して、それを私と両親が認めて結婚していたら、結果は違っていたでしょう。


 嘘の申立書に従い、監護権の裁判は拙速に進められ、三か月で結審します。

 調査官が書いた調査報告書にまで嘘がありました。父親である私が育児をしていたという事実を踏みにじるために、調査官は「未成年者が家を恐がって泣いていた」と嘘を書きました。

 残念ながら、当方弁護士は、裁判所相手に嘘を否定できる人間ではありませんでした。地方国立大卒で多浪して三十半ばで弁護士になった彼にとって、裁判所は自分のプライドを満たしてくれる存在だったのでしょう。自分の仕事を滞りなく行うためには、裁判所の人間にこびへつらい、心証を良くしておく必要があったのだと推察します。


 監護権で負けた年は、強制執行のために、執行官が何度も訪れました。娘と私が家にいる時は修羅場でした。

 必死に娘を抱きかかえ、守り抜きました。「お母さんのところへ行こう」と誘いかける執行官に、「いや!」と首を横に振って、娘も必死に戦いました。

 執行官には、何度も調査官が嘘を書いた話をしました。調査官が「カウンセリングなんて効果ないですよ」と言った話もしました。執行官の返答は、「裁判所を自分たちで変えることはできないから、国会で変えるしかないです」というものでした。

 嘘の申立書で始まった家事審判で、調査官までが嘘をつき、監護権を母親に決めたから「未成年者を引き渡せ」と裁判官に言われても、素直に従えるはずもありません。「すべては嘘ですが、裁判所が認めれば、法律の正義になりますから従いなさい」と言われても、唯々諾々と従うことはできないのです。

 国民は、国家の奴隷ではありません。一国民として、裁判所という国家機関の横暴に対して、徹底抗戦しました。

 もちろん、娘を守るためです。事実を無視した不公正な審判には従えません。

「お父さん、守って」という娘の無垢な言葉に従いました。

 裁判官あなたも、判例や法律ではなく、道徳や良識に従ってください。


 翌年の強制執行が最後になりました。

 裁判所から「今回が最後」と言われたコヤブは焦り、「トイレ借りよう」と独り言を言いながら、住居侵入しました。執行不能で執行官が戸外へ出たあと、違法な自力執行に及んだのです。

 来るべき訴訟社会を想定し、国が弁護士を増やしたために、仕事がない弁護士が増え、金のためには絶対に勝てる母親の監護権や離婚訴訟を喜んで請け負うのでしょう。

 弁護士が書いた嘘の申立書によって、監護権が母親に決まっても、嘘が原因となって、問題をこじらせるだけです。その解決のために、弁護士は法律の知識を悪用し、不起訴を予想して住居侵入し、外へ追い出そうとする七十過ぎの私の父に対して、三十代の力でケガを負わせ、眼鏡を破壊しました。

 さらに、持病の心房細動で救急車へ向かう父を妨害し、母から「死んだら、どうするの!」と言われた弁護士は「死にません!」と叫びました。

 母は一言、弁護士に怒鳴りました。

「アホっ!」

 コヤブ弁護士は、確かにアホです。

 嘘をつかなければいいのに、妻の嘘に従い、監護権の申し立てをし、年配調査官は「未成年者が家を恐がって泣いていた」と上手に嘘を書き、妻がカウンセリングを中断したことに対して、若造調査官「カウンセリングなんて効果ないですよ」と言い放ちました。嘘に始まり、嘘に基づいた裁判でした。


 これが、娘と私に起きた監護権の裁判のあらましです。

 嘘に従い、事実を無視した裁判の結果、娘を奪いに来る強制執行。

 家族に災いをもたらし、家庭を打ち砕く家庭裁判所は、事実を黙殺した家事審判によって、父である私が、狂気の妻との結婚生活の中で、必死で守り育てた我が子を奪おうとしました。

 これが、現代の日本で行われている、恐怖の強制執行です。


 育児をしていた私は娘を連れ戻し、その後に娘の心に生じる災難を免れましたが、他の多くの子の連れ去りでは、弁護士によってDVまででっち上げられ、さらに家庭裁判所では親子の引き離しが行われています。

 最終的に狂気の妻へ娘を引き渡す条件として、裁判官は離婚と面会を同時にすることを私に提案しました。最初の小男の中年裁判官は高裁へ行き、三十代の女性裁判官が担当です。引き渡しの日時を決める段階になって、裁判官は自らの発言さえも無かったことにしました。

「これからは、別の裁判官によって、離婚と面会の調停が進められることになります」

 その瞬間、私は女裁判官を怒鳴りつけました。

「あなたが自分で、『離婚と面会を決めれば、娘の無事を確認できる』と言ったんです! 自分の言葉に責任を持ちなさい!」

 必死の思いで、娘との面会を決め、父として、娘を守ることができました。

 日本には、何年にも渡って親子の面会を拒否され、片親阻害症候群を患う子供さえいます。

 裁判所の嘘に辟易していた私は、裁判官の嘘を絶対に許さず、その場で面会を確保しました。もし、女裁判官の嘘を叱責していなければ、多くの連れ去り被害者と同様に、数年に渡って、娘と会えなくなっていたことでしょう。「交渉のプロ」を自称する当方弁護士は、横で黙って座っていただけでした。

 それでも、三か月は娘との引き離しを経験しました。すぐに面会の調停をしたため、喫茶店の個室にて元妻同席で面会できました。引き渡し後に初めて会えた娘は、無言のまま、じっと私の抱きついていました。

 家庭裁判所は、こんな家庭の悲劇を無数に生み出しています。

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