第3章 現代の魔女裁判

第53話 嘘まみれの審判申立書

 家庭裁判所から、妻の代理人弁護士Hが書いた申立書が届く。

 読んだ印象は、嘘が九割九分。嘘の申立書でも家事審判は成立してしまう。嘘について、家裁の裁判官は真偽を確かめたりしない。


 ここからは、申立書の詳細を順番にお話しします。

 弁護士Hが書いた申立書は、以下の記述で始まります。


 申立の趣旨

 一.申立人と相手方において、別居解消または離婚に至るまで、未成年の監護者を申立人と定める。


 二.相手方は、申立人に対し、未成年者を引き渡せ

 との審判を求める。


 次の「申立の実情」で、いきなり嘘が始まります。

「相手方(私、神代のことです)は、未成年者の出生後、半年ほどして当時勤務していた会社を退職してしまい、無職となった。(中略)

 相手方は、無職となった後、職探しをしようとせず、無為徒食に過ごし続け、そのまま半年以上の期間が経過した。」

 最初の「無職になった」は合ってます。原因については、これまでに書いたとおりです。「無為徒食に過ごし続け」て、どうやって生活していたんだ?と、ぜひ聞きたいところです。

 申立書の嘘は続きます。

「申立人は、深刻な家計の状況に焦りと不安を感じ、もはや働くしかないと考え、(中略)就職した。」

 さらに、次がひどいです。

「申立人は、働きながら子育ての世話をするという過酷な生活を送っていたが、これに対して相手方は相変わらず無為徒食に過ごし続け、家計の収入を助けようとしなかった。それどころか、申立人の子供接し方に対して、不合理な言いがかりをつけてくるようになった(…「嫌いなものを無理に食べさせるな」、「嫌がっているのに無理に薬を飲ませるな」等)。「子育ての世話」や「子供接し方」など、ところどころ文章がおかしいですが、原文のままです。

 妻に収入を助けてもらったことなどないし、もちろん私が生活費も出し続けていました。妻の就職が決まったあとも、勤め先から通勤手当をもらっているにも関わらず、妻は私のクレジットカードでガソリンを入れていたし、「私の車検も、アンタが払うのが当然なんや!」と大声を出していました。

 後半の文章は、トマトや御飯を山盛りにして出したことを注意したことや、インフルエンザの薬を飲ませるのに、泣く娘の「頭を押さえろ!」と怒鳴る妻に対して「そんなかわいそうなことはできん!」と私が怒鳴り返したことを言っているのでしょう。

 申立書は二つありました。

「審判申立書」と「審判前の保全処分の申立書」です。

「保全処分の申立書」に従って、元妻の嘘は一切暴かれることなく、三か月後には娘の運命が決定づけられ、「審判申立書」によって行われるべき審判は一切行われず、保全処分が決めた娘を妻の元へという結果だけを維持したまま、妻を監護権者に決定しました。母親がおかしいという私の主張には一切耳を傾けず、娘の言葉さえも完全に無視したままで、妻の精神状態などはまったく考慮せず、母親を監護権者に決めました。

 二つの申立書は全く同じ内容で、最後に「保全処分の必要性(事件の関係人の急迫の危険)」という一章が追加されているだけなので、まとめて「保全処分の申立書」の嘘について説明します。

「一.事案の経過」です。

「未成年者の食事の内容のことで口論となり、相手方は未成年者を自身の実家に連れ出し、二週間留め置いた。その上で相手方は、相手方の両親を申立人に対して謝罪を求めるという事態となった。

 一連の経過において、相手方に対して愛想をつかした申立人は、未成年者を連れて申立人の実家へ赴き、別居した。

 そうしたところ、相手方は、申立人の勤務先である〇〇に乱入し、申立人の手を掴むなどという事件を起こすにいたった。その際に、警察官が臨場して相手方を連れて行き、同人を訓戒した結果、相手方は「今後、騒ぎを起こさない。」旨の内容の念書を作成した。」

 職場へ乱入したなら不法侵入ですが、一階のロビーで待っていただけです。「警察官が相手方を連れていき」も正確ではなく、パトカーが先導して、元妻を乗せた義父の車、そのあとを私がついていく状態でした。「同人を訓戒して念書を作成」も同様で、元妻と義父が先に拇印を押して署名した同じ念書に、連名で私もサインしました。

 次に、進みます。

「二.未成年者の親権者を申立人に指定すべきこと」

 いきなり監護権の問題が親権になってます。

「未成年者が保育園に通園を始めた以後は、実質的に実質的に申立人の収入で未成年者を監護していた。」

「未成年者の生後六か月経過後は、定職にもついておらず、未成年者の監護には経済的にも貢献していなかった。」

 一度も元妻の収入に頼ったことはありません。彼女の通勤のガソリンも出していたし、彼女が結婚後に買ってくれたバッグでさえ、私の収入で購入していたもので、プレゼントでさえありません

 彼女の貯金通帳を見れば、すぐ分かることだし、仕事のことも給与明細ですぐ分かることですが、家庭裁判所はいちいち調べません。調査官調査も形だけで報告書に嘘が書かれても、こちらが反論する機会はありません。

 最後、子の奪い合いについて、

「相手方が、申立人の実家から未成年者を連れ出した行為は、住居侵入を伴う極めて悪質な行為であり、かつ監護の実績も能力もないのに未成年者を連れ出した行為は無責任の一言に尽きる。」

 他にもいろいろ書いてありますが、基本的に私が子の監護をしておらず、生活費も出していないという、ちょっと調べればすぐ分かる嘘ばかりですが、家庭裁判所は判例と母性優先の原則に基づいて、調査報告書に嘘を書いて事実を歪め、結論を捻じ曲げます。

 事実を無視して、母親を監護権者にすることが目的なので、家事審判自体、やる意味があるのか疑問です。最初から結果が決まっていて、こちらの反論を聞くつもりもないなら、問答無用で勝手に審判すれば税金の無駄使いをしなくて済むのにと感じます。

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