第54話 これで、僕の家庭は壊れていく

 嘘の申立書を受け、弁護士を探した。妻のことを打ち明け、友人にも聞いた。結局、父の友人から紹介された弁護士さんのところへ、申立書を持って相談に行った。

 最初は、父の友人から事務所へ電話をしてもらってから、父と二人で。そして次は、父に「覚悟を決めて、自分の言葉でお願いして来い」と言われ、再度一人で。

「よろしくお願いします」頭を下げた。

 思わず涙がこぼれた。

 嫁さんと裁判で戦う。

 これで、僕の家庭は壊れていく。

 娘を守るために覚悟したはずなのに、悔しくて涙があふれた。

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