第24話 トラックドライバー
娘が二歳を迎える四月。私がトイレや二階に行くために、娘から離れると必ず、「お父さーん」と言って、私のあとを追ってくるようになっていた。
同じ年の三月に、私の社員契約が満了した。
同じ会社に契約で勤めていた人の知り合いに青果市場の社長がいて、紹介してもらえるという話があったが、これも妻が反対したため受けることはなかった。朝早い仕事で私がいないと、娘の保育園の準備ができないことが理由だった。
いろいろ条件に口を出しながら、正社員の仕事が決まらないことに腹を立て、
「主夫をして家で子供の世話をしてたら、どうや! 私がトラックの運転手をして家計を支えるから」
そう言って大声を出すこともあったが、これまで事務の仕事しかしたことがない妻が、実際にトラックの運転手をすることなどありえなかった。
妻に話しても、自分の意思に反する話に激昂してしまうため、結婚前の独立の話をするために、妻の実家を訪ねた。妻には義父が話して了解を得るということになった。
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