第24話

唇が離れるほんの一瞬さえも切なくなっちゃうほど...好き


「け…い…」


腕を緩めて私の顔を見つめた彼に

抱きついた


「どうした?」


「ううん」


「凛ってさぁー、そんな顔するんだよな」


「どんな顔ー?」


「すっげぇー、エロい顔」


「してないよっ」


やだ、私、物欲しそうな顔してたのかも

恥ずかしくて顔を覆うと、その手を剥がされ、ゆっくり、押し倒された


「もっと、見せて。俺の知らない凛を」


鼻先にチュッとして、穏やかに微笑んだ彼

なのに、シャツのボタンを片手で荒っぽく外すと一気に下着を捲りあげ、いきなり口に含んだ


「ぁん...っ」


顔を横に向けてきゅっと目を瞑った

滑るように這っていく彼の手は内腿から

その場所へ到達すると今度はゆっくりと侵入してくる


「ンンン...ぁあ...」


「ヤバいよ、もう、こんなんなってた?」


「やだっ」


容赦なく次々と与えられる刺激は今まで感じたことのない感覚


もう、何も考えられない

そう思った瞬間

耳元に響いた言葉



「凛...もう、何処にも行くなよ」


ぱっと目を見開いて見上げると

笑顔?泣き顔?違う、そういうんじやない

その彼の表情は言葉では表せない

すーっと心を包んでくれるような顔をした慧は静かに身体を落とした


「ぁ......っ」


繋がる幸せって

こんなにもあったかいんだ


身体の中心を突き抜けるうな快感は

2人を1つに繋ぐ


「凛...」



息を止めたその後に重なり合った肌に

愛しさが溢れる





「凛、俺まだ言ってなかったな」


「え?何を?」


「……好きだよ...って」


凛は俺の腕の中で囁くように答えた

ありがとう...って


俺達は夢のゴールを探し、一緒に地図を広げた


でも、

目指すゴールは別の場所にあると思い、

それぞれの地図を持って歩き出した


進んでみてわかったんだ

夢にはゴールなんてものはないってことを。

夢の先にはまだ何があるかわからない


1人より2人の方がやっぱ、いいよな

一緒に歩こう


地図にない旅をしよう



愛してる...凛


眠ってしまった彼女の瞼に口付けて

そう...伝えたんだ

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