第2話
大学2年
勤めてたバイト先が潰れた
「凛ー、ごめん、お気の毒なんだけど、プッ、笑っちゃう」
「酷いよー、どうして、笑えるのー?」
「だって、だってよ、入学してすぐに勤めた和菓子屋さんは店主が高齢だから店をたたんで
2軒目のラーメン屋さんは大手だから、大丈夫!っていきなり脱税で逮捕、っで今度は借金して逃げたって?バイト代未払い。
あんた、どんだけ、ついてないのよ。
心配なるわ」
「はぁー、だよねー。私ってこんなまま生きていくのかなぁー」
「まあまあ、そのうちいいこともあるんじゃない?」
「うん、あるかなぁー
奈美、私もう、今日は帰る」
「ん、わかった。代返しとね」
「よろしく」
学食を出て、俯いてとぼとぼ歩いてると
向かいから、近づいてきた人にぶつかってしまった
「いった」
「あっ、ごめんなさい」
顔を上げるとなかなかのイケメンがじろりと私を見てる
慌てて目をそらすといきなり手首を掴まれた
「あんた、身長何センチ?」
「はぁ?あんたって...」
「うん、こんくらいでいいな
体力自信ある?」
「なんですか?」
「走ってみよ」
「ちょ、ちょっと」
訳分からないこと言ったイケメンくんは私の手を取って走り出した
何処に行くのかわからない
これって?危険なこと?やばいこと?
逃げなきゃ...
「は、離して下さい、ハァハァ」
思いっきり腕を払うとピタリと止まって振り向いた彼
「合格!」
「何ですか?合格って?」
「バイトやらない?
背格好もいいし、息も余りきれてないし、
体力ありそう!」
「バイトですか?しますします!
私、困ってるんです」
「ハハハー、おもしれぇやつ。
バイトの内容とか聞かない?」
「あっ
でも、そっちこそ、急に」
「まっ、そうだよな」
少年のように無邪気に笑った彼に
その時、一目惚れしたのかもしれない
でも、それが恋だなんて恐ろしく幼い私には気付くはずもなかった
「ほんとにバイト...する?」
頭に手を置いて顔を覗き込む彼
その瞳の中に星が見えたんだ
嘘みたいな
ホントの話
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