鉄血のオルフェル
「来いよ化け物、お嬢の所にはいかせないが俺ならいくらでも相手してやる」
眠っている皆の所へ向かうお嬢達を守るためにはこいつを俺が足止めをするしかない。
眠っている奴らは皆お嬢の同士だ。魔力に対する耐性が低いから長くはいきられない。だから眠りにつかせてゆっくりと少しずつ耐性を作る。
「せっかく生きられる手段があるというのに、それすら失わせる訳にはいかない! 流血:
血の鎧が身を包む。そして大剣をてにもつ。化け物が向かってくると俺はその体験を振り下ろす。研究所の廊下はそこらの建物よりも広い作りなので振り回せる。
化け物は腕で受けるのか。防御するぐらいの知識はあるようだが、その腕事ぶった切ってやる!
「おらぁぁぁぁ! なんだと?!」
化け物は半分まで腕が切れる。しかし、腕から手が出て来て大剣を受け止めていた。
「ガァァァァァァァァ!!!」
「ぐっ!」
まさか体事持ち上げられて投げるなんて、いったいどんな威力をしているんだ? 壁にヒビが入っている。
「流血:
巨大な盾を作ったらそれを前に押し出す。
「ガァァァァァァ?!!」
盾を押して壁に押し潰そうとする。しかし、先程でわかっている。俺よりも化け物の方が力はあることは。だから純粋に力勝負するまでつもりはさらさらない!
「流血:
大量の手で押す。化け物は押し負けて壁に押し潰されそうになる。
「流血:
大盾から化け物に向けて大量の針が形成されて串刺しになる。
そして、一歩引いて手も少し引く。
「これで終わらせる!」
思いっきり盾にタックルをすると同時に沢山の手で同時に盾を押する。一気に力が加わり化け物を押し潰す盾はさらに壁との距離を無くす。
「……知性がない分かはわからないがあっけなかったな」
さて、お嬢の所に戻るか。階段は向こうか。エレベーターは扉は爆破してるし本体は穴が空いているし。
しかし
「がっあぁ!!」
「なっ?! もういったい!」
首が?! く! 離れろ!
「アガアガ?」
「は……な、せ」
流血:
ハンマーを作り血の手で振り下ろすも化け物は平然と立っている。所々にある穴からは血が出ているも痛みも理性もないせいか物凄い力を手に込めている。
くそ……意識が
目の前が……かすんで……このままだと……お嬢が………………
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「オルフェルはどうして私たちを手伝ってくれるの?」
「いきなりだな」
研究の昼休憩前、まだ科学とかの知識が足りない俺は食堂で料理をしていた。とはいっても広さとは裏腹に人数は少なく研究所には俺を含めて10人もいなかった。耐性で作りで眠っている人を含めてはいないが。お嬢は実験結果が出るまで暇なので早めに食堂に来て料理を手伝ってくれている。
「だって、オルフェルは冒険者だったのでしょう? それなのにまだ出会って間もない私たちの為にやめてまで来たのでしょう? 普通ならそこまでしないわ」
「どうしてって言われても、ウィリアムから滅んだ世界の話を聞いたんだ。生い立ちも、ここの事も。それで、何か力になりたいと思ったんだ」
正直、可哀想だとは思った。けれど、それがきっかけじゃない。同時にしてしまったのだ。一番の理由。
「もしかして同情したから?」
「……そうだな」
「あ、今間があった。本当は違うのでしょう? 教えてよ」
言えないよなぁ。一目惚れなんて、それにお嬢には、マリーにはウィリアムがいるからなおさらな。
「いや、まあ、飯が旨かったから?」
「そんな理由?!」
お嬢に呆れられてしまったな。けれど、悪い気はしない。どこの馬の骨かもわからない俺を家族のように迎え入れてくれた皆。お嬢だけじゃない。ここにいる皆の手伝いをしたくなった。守りたくなった。
「あ?! オルフェル! 焦げてるよ!」
「何言っているんだ。この焦げがいいんだよ。僅かな焦げが」
「焦げが良いって、苦かったら責任とって1人で全部食べてね!」
「吸血鬼ならこれぐらい余裕だね」
家族……か。父さんも母さんも、こんな気持ちだったのかな。一緒に居たい、守りたい。
「味見してみるか」
「焦げが美味しいわけないよ……ん? んん?! 美味しい! いつもより香ばしい! 味も少し強いし! あえて焦がすだけでここまで美味しくなるなんて!」
「人工血液が無いときの誤魔化しレシピさ、味が濃く強い料理は1日2日ぐらいなら飢えをしのげる。その分血を欲したときの本能的行動は強くなるがな」
「へー、後でコツ教えてよ。色んな料理に活用できそう」
一緒にいるだけでも、恋が実らないとわかってても、幸せだな。
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………………
緋色の斧が化け物の腕を切り落とす。化け物は切られた腕を見てはすぐにもう片方の手の鋭利な爪で攻撃しようとする。
「……どういうわけかわからないんだが」
しかし、鋭利な爪で切り裂こうとした瞬間、爪は折れる。
「お嬢の事を強く思うと力が湧いてくるんだ。自分の実力異常の力が出せる」
俺の手からは血が出てくる。しかし、その血は紅い色ではなかった。緋色だった。前にもこんなことがあった。実験で失敗し、大爆発が起きたとき、とっさに守ったときにもこうなった。
大爆発だったにも関わらず、咄嗟に作ったら盾には一切の傷がなかった。
「ガァァァァァァァァ!!」
「
一歩踏み出して斬る。綺麗に真っ二つになり化け物は動かなくなった。
真後ろにゲートが現れる。
「無差別に現れてやがる。今相当にここの亜空間は不安定なのか……?!」
ゲートから現れたのはさっきよりも一回り二回りも大きい化け物だった。現れた瞬間にその禍々しい拳に俺の体は壁に叩きつけられ、地面に十メートルの穴が悪ほどの爆発でさえ壊れない壁を突き破って隣の部屋の奥の壁にヒビが入るまでぶっ飛ばされる。
「ガァァァァァァァァアアアアアアアアア!!!!」
化け物は壁を壊して入ってくる。
「これは、ただの『血』じゃない。強く、固く、輝いている」
俺は起き上がる。この『血』を纏っていると、まるでどんな攻撃も効かないように思える。それほどに頑丈で、重い。
「ヴァンパイアの力の先が『心血』だとしたら、これは大切な人を守り抜く為の固い強さ『鉄血』だ!」
先ほどの大盾の血が元に戻り、手の形になる。その大きさは俺の何倍ものある化け物に負けないぐらいのものだった。
「鉄血:
「うおおおおおお!!!!」
鉄拳は化け物に、化け物は受け止めようとする。あまりの力に踏ん張っている足が床にめり込んでいく。
「くらいやがれええええええ!!!!」
鉄拳は壁を突き破り、さらに奥の部屋に大きなヒビを入れて大きくへこんだ。化け物はもう動かなくなっていた。
「お嬢を守るのは、俺の思いだ意思だ! お嬢は、ここにいる皆は! この世界で生きようと努力をしているんだ! 少しずつだが、前に進もうと頑張っているんだ! だから、それを邪魔する奴らは俺がぶっとばす! もし誰かがその道を塞ぐのなら、俺が砕いてやる! 俺の、お嬢の、ここにいる皆の進む意思を止まらせはしない!」
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