2 私はここにいるよ。

 私はここにいるよ。


 大空を飛ぶことはとても気持ちがよかった。


 そうやって青色の空の中を自由に飛んでいると、やがて私は白い雲の上に出た。


 下を見ると、自分の住んでいる街の全景が見渡せた。


 それは本当に小さな街だった。


 私は、私の住んでいる街を見ることをやめて、青色の空の中を飛び続けた。


 すると世界は完全な青色の世界となり、私はその青色の世界の中を自由に、自在に、自分の体についている二つの白い羽を使って飛び続けた。


 そうして飛び続けていると、私は前方の風景の中に一つの黒い影を見つけた。


 なんだろう? と私は思った。


 私は速度を加速させて、その黒い影に近づいてみた。


 するとその影は私ではない、もう一羽の黒い羽を持った、空を飛んでいる鳥の姿だった。


「やあ、こんにちは」

 

 その黒い鳥は後ろから近づいてきた私のことに気がついて、私にそう気さくに声をかけてきた。

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