第115話言いにくい事ってあるよね


「あれ?○○君?」

「どうしてここに?」


まさか向こうから来てくれるとは

これはありがたい。


「いや、ここって雰囲気もいいからここで

ご飯でも食べようと思ってね」


「そうなんだ、実は私もなんだ」

「考えていることが一緒ってなんだか嬉しいね」


おいおいそんな事急に言わないでよ

うっかり好きになるところだったぞ。


「そ、そうか?」


「うん」


「・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・」


き、気まずい!

なんでだ?何時もならこんな空気にはならないはずなのに。

向こうも話さそうとしないし

お見舞いの時に話さなかったからか?

それとも今朝の事で?

これでは話すに話せない!

ここは俺の方から声をかけるべきか?

男として。

いや、別にここは男とか関係ないか

それになんだか何時もの足立さんと違う様な

気のせいか?

一人で悶々としていると足立さんから話始めた。


「ねぇ」


「な、なんだ?」


「・・・・・・・・・・」


「?」


なんだ?何か言いにくい事でもあるのか?

まさか告白!

ってそんな訳ないか

そもそも今起きている現象でそれどころでは

ないし

それに俺と足立さんの関係は云わば

ギブアンドテイクの関係に近いだろう。


「その、やっぱりなんでもないや」


そう言われると聞きたくなるのが人間の性って奴だよなぁ。

まぁ俺は紳士だから、そんな事はしない

本当だよ?


「そっか、まぁ話したくなったら話してよ」


「うん」


会話はそれで終わりそのあとは二人昼飯を

ただただ黙って食べて昼休みが終わった。


昼休みが終わり授業が始まる。

あー昼休みのです後の授業ってなんで

こんなに眠くなるかね?

只でさえ最近寝不足なのに

しかしさっき足立さんは何を言おうとしていたんだ?

足立さんに限ってしょうもない事を言うとは

思えないし。

まさか今起きている現象について何か分かったのか?

でもそれなら話すはずだけどな。

まぁそういう俺も『松本花菜』の事を言えないでいるからなぁ

はぁーなんだかどんどん、ややこしくなって

いってる気がするよ。

いや、ややこしくなってるな。

これから起きるであろう厄介な出来事に

俺は大きなため息を吐いた。


気がつけば放課後になっていた。

どんだけ考えに集中してたんだよ。

その集中力を授業に向けられたらなぁ

クラスを見渡すと足立さんはもう居なく

『桜井暖人』と『姫野あかり』と他の友達でグループが出来ていて今だに帰らずにワイワイ話している。

そういえばあの二人いつの間にあんなに仲良くなったんだ?

まぁこちらとしたらそっちの方が色々と

楽でいいんだけどね。

さてとそろそろ俺も帰るか

それともやはり足立さんに『松本花菜』に

ついて話すか?

そうやって迷っていると


「おーい○○今から皆で遊ぶんだけどお前も来るか?」


そう爽やかに『桜井暖人』が話かけてきた。

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