第48話足立恵の覚悟


俺は足立さんの案を聞いてそれは流石にと

思った

いや言いたい事は分かるのだがその内容だと

今まで考えていた危険性と矛盾してしまう。


「足立さんそれだと余り仲良くならないで

いい距離感をとるという事と掛け離れてしまわないか?」

「下手したら足立さんに何か危険があるかも知れない」


「うん、確かにそれはあるよ」


「なら!ここは慎重に」


「だけど今の現状では余りにも手札が少なすぎる」


それは俺も思っていた所だ


「だからあえて『姫野あかり』と接触してみる」


「でも!それは!」


「うん下手したら取り返しのつかない事になるかもね」

「でもこのまま動く事も出来ない状態でも

どちらにしても最悪の未来しか待ってないよ」

「でもちゃんと勝算はあるよ」

「言い方は悪いけど○○君はこの世界ではモブキャラだ」


事実だけど他人に言われると泣きたくなるな


「でも私がいうのもおかしいけどこの世界では私はモブキャラではないと思うの」


「それは俺もなんとなく思っていたけど」


「私はクラスの委員長でしかも学面で成績がいい」

「これだけの属性があるなら『姫野あかり』に近づいても違和感がないと思う」

「よく漫画とかでも委員長キャラはいるからね」


最後に足立さんは賭けに近いけどと

言って最後を締めくくった


「確かに『姫野あかり』のそばにいれば

もっとこちらの行動パターンが増えるけど」


「でも、もう時間もないのに直ぐに友達に

なれるかってこと?」


そう言うと足立さんはない胸を張り


「なにか不愉快な事を思われた様な」


なにこの子エスパー?


「んんっ!いやそれで?」


「前に話した時から色々考えた結果こちらの方が効率よく進むと思ってね」

「取り敢えずは彼女と連絡先を交換しておいたよ」


流石足立さん

先の事を色々と考えていらっしゃる

というか何時交換したんだ?


「とにかく私は『姫野あかり』とはもう

知り合いになってるから今週に間に合う様になるべく彼女と仲良くなるよ」


「了解、でも危険と思ったら直ぐに引いてくれ」


「うん、それは分かってるよ」


ならいいのだがなんだかなぁ

正直こんな穴だらけの作戦不安しかない

しかし現状、彼女のいう通り何もしなければ

前には進めない

分かってはいるのだがどうしても不安は拭えない。


「わかったなら今週の土曜日までにお互い

出来る範囲でいこう」

「俺は取り敢えず改めて少しでも情報を集めてみるよ」


「うん、私も『姫野あかり』と少しでも仲良くする様に頑張るよ」


こうしてお互いに土曜日のある意味決戦に

向けてやれる事をやる事になった

色々と不安が残る中



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