第47話姫野あかりは問題である


色々と問題はあるがまずはとにかく

無事に『桜井暖人』の遊びに行くのを

成功させること

いや、見守る事か

それぐらいしか出来ない事に嫌になる。

まぁ1日の辛抱だ。

それより後一つの問題『姫野あかり』だな

彼女の行動にも気を付けていかないとな

しかし俺も足立さんも彼女とは接点がない。

仲の良い友達とかならその日遊ぶ約束をするなりして『桜井暖人』と会わせない様に

出来るが連絡先はおろか喋った事がほとんどない。

せめて連絡先を交換出来れば何かしら

出来るかも知れないがそれは賭けに等しい

それに『桜井暖人』もそうだが彼女とも

余り仲良くならない方がいい気がするしな

俺はこの世界でいうモブの立ち位置だ

それなのにいきなりでしゃばって

仲良くなると何が起こるかわからない

下手したら物語から退場なんて事もある

考えすぎかも知れないがこの世界は

あくまでもあの二人の物語

ない話ではない。

しかし俺と違い足立さんはどうだろうか

彼女にモブというポジションは似合わない

なら彼女の配役は?

うーんわからない

まぁいいか取り敢えずは足立さんと作戦会議だな

しかしあれなんだよなー

あの一件以来なんか足立さんと会うのは

気まずいというか恥ずかしいというか

俺の気にしすぎならいいんだけどな

とにかくまた放課後会うメールを送ると

しますか。



考え事をしていたら気がつけば放課後

足立さんからの何時もの塩対応のような

そっけない了解という返信が来て少し安心

した

返信が帰って来なかったら軽く泣ける

まぁそんな事はさておき何時もの場所に行きますか。


何時も通り旧校舎の裏に行きもはや

待ち合わせ場所の目印にもなっている

あの大きな木の所へ

そこには足立さんがやはり空を眺めながら

待っていた。

うむ改めてこうして見るとやはり絵になるな

そんな事を思いながら足立さんの所まで行く

だが足立さんはこちらに気がついてない様だ

あれ?何時もなら直ぐに気がつくのに


「足立さん」


そう声をかけても足立さんは空を眺めている

んー?

なんか心ここにあらずの様だな


「足立さん!」


今度はちょっと大きな声で言ってみた


「ひゃい!」


どうやら気がついて貰えたようだ

しかしひゃいって可愛いなおい


「あー大きな声出してごめん」

「なんか気づいてなかったみたいだから」


「い、いやこっちこそごめんなさい」

「ちょっと考え事をしてたら」


「そっか、しかし足立さんってあんな声出せるんだな」


そう言うと足立さんは顔を赤らめた


「なんの事?」

「私は何も言ってないけど」


「いやだからビックリしてひゃいって」


「何も言ってないけど」


「あ、えっとひゃ「何も言ってないけど」

はい何も言ってません」


この子なかった事にしよった!

つーかその睨むの止めて!

なんかめっちゃ怖いんですけど


「えーと改めて今週の事なんだけど」


「うん、メールでも一応確認したよ」

「確かに私達に出来る事が少なすぎる」


「あぁこの際『桜井暖人』の件は後にするとして問題の『姫野あかり』なんだけど」


「うん、でも彼女に付いては考えがあるよ」


「えっ」


マジっすか

流石足立さんだな


「それでどうするんだ?」


「私は『姫野あかり』の友達Aになろうと思う」



へっ?

どういうことだってばよ

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