第23話ムスコン?違うね愛しているだけさ!

昨日お袋と話して気持ち的に楽になった。

お袋には感謝だな

ただいつもの事なのだがその後は大変だった


『ほらあーん♪』


『口移しで食べさせてー?』


『膝枕プリーズ!』


『今日はママンと一緒に寝よー!』


『キスするチャンス!隙あぐへぇ!!』


等々色々酷かった。

こうしてみて分かるように我が母はムスコンである。

別にお袋の事が嫌いな訳ではない、むしろ

好きなのだが明らかに親子のスキンシップを

越えている。

というか最後の方はマジでヤバかった。

危うく貞操をもっていかれるかと思ったぐらいだ。

そして朝には既に家を出ていて仕事へと向かっていった。

なんだか遠くからムスコニウムが足りないー!

等という幻聴が聞こえるが俺は知らない

俺は知らない、大事な事なので二回いいました。

そんな騒がしい朝を向かえ俺も学校に

往く支度をして登校しながら取り敢えず今日何をすべきかを考えていく。

まずはやはり『桜井暖人』と『姫野あかり』

この二人についての情報を手にいれながら

監視をしていくのがいいだろ。

『姫野あかり』は女子なのでそちらは足立さんに頼むとして、『桜井暖人』はこちらで監視していこう。

後は『桜井暖人』に告白していたあの子も

気になる、名前は忘れたがあの子についても調べてみよう。

当面は『桜井暖人』の友達になることにしていこうと思う。

監視をするにしても遠くから眺めるなどでは

余り情報は手に入らない。

それに回りから見ればただのストーカーである。

誰が悲しくて男をストーカーしなければならないんだよ

いや、女子でも駄目だが男はもっと駄目だろ

下手するとそっちの気があると思われる。

俺はノーマルだ!

別にそういう価値観を否定はしないが

それでもそんな風に思われるのは嫌だ。

と云うわけで取り敢えず『桜井暖人』さんと

友達になりますかー

だが俺は『桜井暖人』について何も知らない。

元々は俺の認識ではいるはずのない人間なのだ。

噂や友達の話を聞くには成績優秀、運動神経

抜群、コミュ力もあり、性格も良い、そして何よりイケメンだ女子からは毎日の様に熱いラブコールを浴びせられている。

何処の主人公だよ、いや足立さんの仮説から

いえば主人公なのだから当たり前か、

それはそれとしてやはりイケメンは敵だな。

取り敢えずこんな感じで接触する旨を

伝えた。


そして時間が飛び昼休み、今日は久し振りに友達と昼飯を取ることにした。

何気ない会話や馬鹿みたいな話を聞いて

やっぱり平和が一番だな

うん俺に主人公は

向いてなと改めて実感した。

少しトイレに行きたくなったので友達に断りを入れてトイレに迎う。

そしてトイレから教室に向かう時見てしまった。


件の『桜井暖人』と『姫野あかり』だ

何故二人が?

と思っているとどうやらかなりの数のプリントを職員室へと持っていっているようだ。

確かにこれなら二人の方が効率がいいな。

そういえば二人は今日、日直だったなと

思っているとちょうど階段を下っていく時

何故か『姫野あかり』が足を滑らして

それに気付いた『桜井暖人』が

『姫野あかり』を助けるべく持っている

プリントを捨てて彼女に手を伸ばすが

間に合わずに二人して階段から転げ落ちた。

幸いそこまで階段が高いところではなかったのか見るかぎり大した怪我はないようだ。

問題は落ちた時の姿勢である。

壁ドンならぬ床ドンしている。


「その、退いてくれる?」


「そのご、ごめん」


「別にいいわよ、助けてくれようとしてくれたし」


「そ、その、アリガトウ」


「えっなんて?」


「知らない!それじゃあ私はいくからね!」


「いや、プリント片付けるの手伝えよ」


えーなにこれ前にも思ったが本当になんだこれ?

でもチャンスかも知れない、ここでプリントの片付けを手伝えば接点が出来る。


「大変そうだな、手伝うよ」


「マジで!ありがとな!」


こうして俺は『桜井暖人』の接触に成功した。


まずは第一歩かな

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