1-3 アンサンブルの初顔合わせ
慎一との新生活を充実させる一方、真智子は7月の学内発表会に向けて、長井絵梨との連弾や管弦楽グループとのアンサンブルの楽曲ドビュッシーの『牧神の午後への前奏曲』とシューマンの『アンダンテと変奏Op,46』の練習の他、自分自身のテーマ曲として主にドビュッシーの他にクララ・シューマンやブラームス、グリーグなどの楽曲に手を伸ばし始めていた。
そして、アンサンブルについては新学期入って早々に管弦楽メンバーとも顔合わせをした。
練習室にメンバー全員が集まったところで、背が高くキリッとした風貌のリーダーらしき人物から先に自己紹介があった。
「僕がリーダーを務めるホルン奏者の
「同じく、ホルン奏者の
「ファゴット奏者の
「チェロ奏者の
「同じく、チェロ奏者の
それぞれ第一印象は—というと、竹田崇はガッチリタイプ、岡田美奈子は活発で少し派手な雰囲気、井上聡は細めの草食系、佐々木睦は大人しそうで清楚な雰囲気といった風情だった。管弦楽メンバーは順々に自己紹介を終えると、ピアノの椅子に座っている真智子と絵梨に注目した。今回集まった練習室にはピアノが一台しかなく、真智子と絵梨は一台のピアノの前に隣り合わせで座っていた。
「えっと、ピアノ奏者の高木真智子です。アンサンブルは初めてで緊張しますが、よろしくお願いします」
先に自己紹介をした真智子は緊張気味に微笑んだ。
「同じくピアノ奏者の長井絵梨です。高木さんとの連弾は先日一緒に練習してみたら上手くいきそうでしたし、皆さんとも上手くいくといいなと思ってます。よろしくお願いします」
絵梨は少し余裕の雰囲気でにこやかに挨拶した。
一通り自己紹介が終わるとリーダーの仲田慶太が言った。
「今回のアンサンブルはピアノメインで僕たち管弦楽グループはアドリブ風の脇役で演奏することになると思います。それで、今日はおふたりのピアノの連弾を先ずは聞かせてください。おふたりのピアノの連弾を今、こちらで録音して、僕たちの譜面も音程や和音、リズムバランスの息が合うよう調整して、次回の練習日まで練習しておきますので、次回の練習の日に初合わせしましょう。では、早速、聞かせてください」
仲田慶太がそう言ってる側で竹田崇が録音の準備をしているようだった。
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