第222話 あるいは幸運なミステイク
ども。
新巻へもんです。
ちょっと東京プリンスホテルを検索したら、広告欄にプリンスホテルのクリスマスディナーの広告が多く出るようになりました。もうそんな季節ですね。季節外れの暑さも収まって、さすがに朝晩は寒くなるようになりました。気づけばもう11月も半ばですものね。
私の職場では実に4年ぶりに忘年会を開催しようという話が出ています。皆様の職場などではどうでしょうか? 私はお酒が飲めれば幸せなのでいいのですが、コロナ下で職場の飲み会がないことを喜んでいた方々にとってみれば憂鬱な季節なのかもしれません。
いつものダイマコーナーです。現在忍者が異世界転移する話を書いているのですが、史実では忍者が大名の暗殺に成功したという記録は残っていないんですね。まあ、不名誉なので病死として処理した可能性はありうると思ってますが、実際のところは忍者にあまりロマンはありません。ちなみに種子島による狙撃での大名の死亡例はあるんですけどね。
https://kakuyomu.jp/works/16817330661470385388
さて、11月の同題異話の自主企画ですが、指定のタイトルは「あるいは幸運なミステイク」でした。例によって制作過程を振り返ってみたいと思います。ネタバレありますからね。
まずは「幸運なミステイク」の部分の解釈です。ミステイクつまり間違いは良くない結果をもたらすからこそ、間違いと称されるわけです。そうでなければ正しい選択と呼ばれるはずですね。しかし、この場合は「幸運な」という修飾語がついています。良くないことが起るのに幸運とはどういうことでしょうか。
素直に考えれば、それ単体であれば良くないことであることだが、そのお陰でその後に起こることが変わるというシチュエーションが考えられます。マイナスがプラスになるケースもあれば、より大きなマイナスを回避できる場合もあるでしょう。ことわざでいう塞翁が馬。塞翁の馬が逃げたけれども駿馬を連れて帰ってくる、馬に乗って骨折するがそのため兵役を免除され戦死せずにすむというわけです。
ただ、お題は「あるいは」がついています。ということは、結果的には良かったね、と単純には思えない余地がなくてはなりません。一方で、実はやっぱり不幸だったという結論でもダメ。観察者の立場によって評価が変わる必要があります。なかなかに難しい。O・ヘンリーの『賢者の贈り物』はニアピンかも。
とりあえず、通勤あるあるネタで主人公の葉奈が電車に乗り損なったことが結果的にラッキーだったという部分が出来上がります。じゃあ、なんで乗り損ねたかというと靴が壊れて一度家に戻ったから。そのまま出勤すれば電車には間に合ったはず。一見間違った判断だったけど、というところまでは完成します。
これをひっくり返すには階層を一段上げなくてはなりません。葉奈の諸々は実は死んでしまった恋人の紘一が苦労して不幸を回避していました。紘一がそんなことを出来るようになったのには、やっぱり第三者の判断ミスが介在しています。でも、葉奈は不幸を回避できたんだから良かったんじゃない、とはならない紘一の微妙な立場を示して終話です。ちょっと回りくどかったかもしれません。
ではでは。
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