第138話 センスと傲慢

 ども。

 新巻へもんです。


 ちょっと仕事が大変で、またまた死にそうになってます。もう年だからねえ。げほげほ。ワシはもう駄目だ。ワシを置いて行け。そして、みんなで仕事してくれ。ワシはタリーズでコーヒーを飲んでる。と言いたいところですが、そうもいかないので、ちょっとだけ真面目に仕事したんですよ。


 で、仕事帰りにぼーっとしながら電車のドア上のモニターを眺めてました。寝たら、折り返しで世界の果てに連れていかれるので寝るわけにもいかないんで。見ていると日本で一般消費者にはあまり有名じゃないPCメーカーのCMが流れています。ほえ? なんじゃこりゃ。


 今日は心がすさんでいるので、他人様の創ったものの粗さがしです。人を呪わば穴二つ。そんな非生産的なことをしなくてもと理性はささやきますが、やめられない止まらない。


 宣伝する商品はビジネスモデルPCなわけっすよね。精密機械。なのに、なんでそんなにガシャガシャ箱をぶん回して走ってるんすか? しかもハードル飛び越えたり、ディフェンダー躱してボール蹴ったり。お客様へ一刻も早く届けたい、という文字は踊ってますけど、全然伝わってこないんですけどね。こんな風にして届けられたら確実に初期不良返品待ったなしじゃないっすか。


 あ、今年オリパラがあったから便乗してスポーツを使ったCMってことですか? 社員が走って届けるなんて、どこのブラック企業ですか? 全然面白くないし、いくらシェアトップでも、このCMみたら頼みませんわ。なんか演出がプラスよりマイナスの方が大きいと思うんですけどね。


 首都圏の各鉄道に出してるっぽいんで、そこそこ掲載費用かかっていると思うんですけど、このCMにトップがOK出しちゃったの? まあ、こういうのって、上の方に稟議上げていくと、絶対これだけはねえだろ、って案になることは弊社でも良くあるからそうなのか?


 ちなみに、私は、バスの安全運航に関連するガイドブック20万部をきちんと稟議通さずに作っちゃったことあります。弊社的にはかなりキレッキレの体裁・内容で。お伺い立てたら、いつもの面白みのない内容に戻すように指示されるのが分かってたので、印刷終わってから出来ましたと持って行きました。幸い、皆さんの評判はそこそこ良かったので、お咎めは無し。


 まあ、あれか。本人が面白いと思っていてもウケるかどうか分らんからな。カクヨムで小説書く前で、根拠のない自信だけあったからできた技。ひょっとすると、某PCメーカーの担当さんも同じ気持ちだったのかも。必死になって走って商品お届けするんです。絶対お客さんに熱意が伝わります、って感じで。


 私も同じ道をたどった可能性があるんだなあ。やっぱ傲慢だったのかも。背筋が寒くなって来ました。ゾクゾクっと。


 ではでは。



 

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