第132話 夏が燻る

 ども。

 新巻へもんです。


 本日は台風の影響で雨が続いています。しっとりと湿度計が90%以上を指していて、あちこち触れるところ全てがペタペタ。そんななか、休日の日課であるフィットネスに精を出したところ、頭のてっぺんから足先までべとべとになりました。服から下着まで汗でびっしょり。この天気で乾かないのに洗濯です。


 さて、月代わりということで、今月も同題異話の時期がやって参りました。お題は「夏が燻る」です。例の下らない仕事の合間や行きかえりに考えてみたのですが、今月も難しく感じます。季節を踏まえた「夏」はともかく、「燻る」ってねえ。スモークサーモンでも作ればいいのでしょうか?


 冗談はさておき、夏に燻るものとして、思いついたのは、蚊取り線香と花火です。バーベキューもあるけど、夏に限ったものというとちょっと違う気がします。同様にタバコも季節感が無い。お盆と言うことで蚊取りじゃないお線香というのもありえそうです。


 これらの小道具の組み合わせになるのですが、蚊取り線香と花火だと完全に恋愛ものになりそうです。一緒に最後の線香花火を見つめちゃったりして、ポトリと落ちた後に肩を抱き寄せて……。いろいろと紆余曲折があって表に出せなかった好きという気持ち。最後に勇気を振り絞って、というのはベタですが夏っぽい。でも、先月も恋愛ものだったし、2か月連続というのも芸がない。


 じゃあ、線香ということになっちゃうと、やっぱり誰かは亡くなっているわけで、どうしても湿っぽくなっちゃいます。私の勝手な感性では哀しみと「燻る」って結びつかないんですよね。まあ、故人を偲びながら、墓場に持って行ってしまった秘密を想うというのもできそうですけれど。


 行き詰ったところで思い出したのが谷口ジローさんの画集にあった作品。葦簀を買って帰る話のラスト。効果音が書いてない1枚絵なのに音が聞こえてくるんです。そのイメージを落としこんだのが今月の私の作品。そういう日本家屋があるということで過去作から登場人物を引っ張って来ました。


 夏暑いのは辛いですけど、作中シーンのようなときは、心の底から悪くないと思います。現実にくさやを七輪で焼くのはなかなか難しいですけどね。間違いなく近所から苦情がくるでしょう。食べる時も匂いが気になるけど、慣れちゃえばイケるんですけどね。鮒ずしよりはとっつきやすいと思うんだけどな。うん。ビール飲みたくなってきた。


 ではでは。

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