65話 オアシス奪還作戦1-2
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「
「各隊と本陣に伝えまする」
ヴァラヴォルフ族副長の言葉にヴァラヴォルフ族の映伝士が答える。
ヴァラヴォルフ族副長は名をアルターといい、老人に近い年齢へと差し掛かっている。
本人はそのことを自虐して、もう棺桶に片足突っ込んでいるようなものだから怖いものはない、と時々冗談を言う。
しかし、立派な白い髭を蓄えたこの老人をそう思う者はいなかった。
この者ほど
左右どちらかの目を閉じてもう片方の目で違う場所を見るのだ。
このときに見ている瞳が蒼くなることが名前の由来となる。
見る場所は2つに限定される。
まぶたを閉じた方の目を霊化して出現させて、ビー玉の様な透明な球にすると、
それを転がしてそこから見る手段。
もう1つはあらかじめ霊化した目を誰かに渡しておいて、その誰かからも霊化した目をもらい、その者とやり取りする手段だ。
映像のみでのやり取りとなる。
手話やそれに近い手を使った暗号でのやり取りが主な通信手段だ。
もちろん紙に文字を書いて、それを見せるのが一番早い手段となる。
魔法では映像、次いで音を伝える手段が開発された。
科学とは逆の順序をたどっているのが魔法と科学の根本的な違いを表しているのかもしれない。
ヴァラヴォルフ族がチームを組んで行動うするときはこの
一人目があらかじめ霊化した目を本陣に渡しておいて、本陣とやり取りを行う。
二人目は霊化した目を転がして周囲の探索を行う。
三人目は予備である。
ふつうは
しかし、ヴァラヴォルフ族副長アルターは複数の目を霊化して出現させることができる。
そのためこの老人一人で各隊との通信を一手に引き受けることができるのだ。
各隊にはあらかじめアルターの霊化した目を渡している。
人が瞳で捉えている映像の4倍ほどの情報を脳が瞬時に判断しなければならなくなるのだ。
1つでそれほどの負荷がかかる術を、一度に複数行うことができるアルター老人の脳にかかる負荷が、どれほどのものかは想像を絶するものがある。
おまけにこの老人は両方の目でそれを行うのだ。
両方の瞳が
「例え我が目が八つあろうとも、かの者には遠く及ばず」
そうこの老人に言わしめた人物こそ、現ヴェアヴォルフ族族長ゼノビアその人である。
アルターはヴェアヴォルフ族の知恵袋と言われるほど、ゼノビアや種族が困ったときに妙案を出してはその窮地を脱してきた。
当然族長へと推薦される実力を持っているが、本人は頑なに族長の座を拒否している。
「考えてもみろ。
族長の横で思いついたことを喋ってそれが採用されれば我が手柄となり、
駄目なら族長が責任とって腹を切る。
副官はその横に立っていればいいだけだ。
こんな楽な仕事がほかにあるか。族長になるなどまっぴらごめんだ」
本人はこうして冗談交じり族長に推薦されるのを誤魔かしているが、
実際は自分の発言一つで数百の同胞が危険にさらされ、場合によっては死ぬ。
そんな発言を軽々しくだせるわけもないことは誰の目からも明らかだった。
熟慮の末に出した発言だからこそ、族長たるゼノビアもいざとなれば責任を取ることを良しとしているのだ。
もっとも、この考え方は今は少し改まっている。
というのもゼノビア率いるヴァラヴォルフ族が、頂きに置く義清がこの考えを気にくわないのだ。
「死して責任をとって何なる。失敗したあとの責任とって死ぬなど迷惑千万。
残された者共の面倒を誰が見る。誰が一族の名誉を復興させるのだ。
それらをせずに死ぬなど責任を取るにあらず。単なる逃げよ。
失敗したならばそれを超える功績を持ってくれば良いだけ。
軽々しく腹を切ること、まかりならぬ」
こうした義清の考えもあってヴェアヴォルフ族では失敗して責任を取る風潮から、
手柄や功績が失敗を上回る方が良いという考えが浸透している。
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次回更新予定日 2020/3/28
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