きばって、けっぱれ!魔王様!
床ノ助
他山の石です!
「では魔王軍定例会議を始める」
「今回の議題は単刀直入に我が魔王軍を強くする方法にしたい。皆、自由に意見を出してほしい」
魔王軍をより強い組織にするためには、全員の考えを吸い上げていかなくてはならない。ボトムアップが大事なのである。
「魔王様。申し上げたきことが」
我が魔王軍随一の知恵者であるリッチの発言か。リッチは生前高名な魔術師だけある。死後アンデッドとなっても我が軍において参謀格として辣腕を振るっている。
「うむ」
「我々は今まで独力で魔王軍の改善に努めてきました。しかし、それには限界があります」
これまでの努力を否定するようなリッチの発言に臣下たちがどよめきだした。
「いや、続けてくれたまえ」
誰しも自分に対して否定的な言葉は聞きたくないものではある。しかし、成長のためには甘んじて聞かなくてはならない。耳を逸らせばその先は停滞のみである。
「はっ。私が思うに、外部コンサルタントに意見を求めてみるのがよいかと」
「ほう、面白い。しかし、魔王軍の強化につながる仕事をできるコンサルがいるのか? 並大抵のコンサルには勤まらんぞ?」
「お任せください。このコンサルタントは数々の魔剣を使いこなし、ドラゴンなど怪物を切り伏せる武芸者。魔法を唱えるは、全てを焼き払う稲妻から傷を癒す奇跡まで。仲間のマネジメントにも長け、集団戦も隙がない」
「なんと素晴らしいではないか! 早くそのコンサルタントを呼ぶのだ」
「はっ。ただちに依頼をだします」
そのような優秀なコンサルタントが存在するとは。間違いなく我が魔王軍に大きな成長をもたらしてくれるに違いない。
「魔王様、コンサルタントをお連れいたしました」
「うむ、入ってくれ」
「勇者パーティーの皆さまです」
「うん、チェンジで」
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