第5話の5

「ラララー。ラブラブソングだよーん?」

 ミキ、正気か? ここまでウタが上手いなんて。信じらんねー!


「笑ったわね、セツナ。取って置きのウタだったのよ」

「ウソつくなー、ミキ!」


 アニキの声が聞こえた気がする。空耳だった。僕の声を重ねていた。アニキの声を僕は覚えていたんだ。


 ラララ。ピアノの旋律が聞こえていた。アニキのピアノが僕に重なる。記憶へと変わった。


 僕とミキは、口づけの代わりにウタに浸る。ラララ ソングソングソング。二人の声が重なった時、三色の絆を感じた。

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