恋は変な心

峪明博

第1話 好きな女子は少し変態

7月の初め、錦戸浩二は徳島県立にある高校生であるが、彼はある女子に恋をしている。

その子の名は、北野真美。

成績は並の上、性格はおとなしく、穏やかである。

顔はなんと言っても、可愛らしく、美人よりの可愛さだ。

彼は、顔がストライクだった。

一年の時はクラスが違って知らなかったが、二年で同じクラスになり、すぐ一目ぼれになった。

二年になって一目ぼれはしたものの性格を知らないから、まだ内面までは好きにはなっていなかったが、5月に入って彼女のクラスの友達に対する対応とか、性格を見て、彼は好きになっていった。

地味ではあるが、穏やかで、優しい性格だった。

ある日、彼が学校に通学していると、彼女を見かけた。彼女は友達に挨拶をしたり、困っている人を見つけたら、自分の出来る範囲で手伝っていた。

日が経つに連れて、どんどん錦戸は北野のことを好きになっていった。

中学からの幼なじみ沼田勇太に相談した。

「北野さんのことを好きになってしまった。」

錦戸は恥ずかしながら、しかし決意を表したように言うと、

「俺もだ。」

と、沼田は言った。

「えっ。けど北野さんとお前クラス同じになったことなくね?」

錦戸は不安げに聞くと、

「おう、知らない。」

沼田は淡々と言った。

「嘘か!」

錦戸は突っ込んだが、沼田はスルーして、

「北野さんをねぇ。」

沼田は答えた。

「どこが良かった?」

沼田は聞くと、

「地味だけど、穏やかで、優しい性格だ。」

錦戸は恥ずかしながら答えた。

「ほう。」

沼田は言った。

「顔もストライクだし。」

と錦戸は言うと、

「確かに。」

沼田は答えた。

「お前、顔知らないだろ!?」

と錦戸が言うと、

「確かに。」

にべも無く沼田は答えた。

「告白しようと思う。」

錦戸は言った。

「話したことは?」

沼田は一応確認すると、

「ない。」

錦戸が自信ありげに言うと、

「失敗するぞ。」

沼田は言うと、

「百も承知。けど、言わないと一歩すら進まじ。」

錦戸は答えた。

「そうか。」

沼田は言い、

「その気持ち天晴れ。当たって砕けろ。何時でも、慰めてやる。」

と沼田は言い、電話を切った。

「僕から電話したんだけど・・・。」

と、錦戸は言った。

次の日。

錦戸は朝、いつもより少し早めに学校に来て、彼女がまだ来てないことを確認して、彼女の下駄箱にラブレターを入れた。

北野は学校に来た。

彼女の下駄箱に手紙が入っていた。

見た感じラブレターだった。彼女は読んでみた。

『一目みたときから、一目ぼれをし、そして日をますごとに、貴女を好きになりました。告白したいことがあるので、放課後、体育館裏に来てください。

        錦戸浩二』

「錦戸君か・・・。」

北野はポツリと言った。

そして授業が終わり、放課後。時は夏。カラッとした気候で、16時とはいえ、まだ日は少し高かった。部活をしている学生はまだ学校に残っていた。

そんな時間に錦戸は体育館裏で一人ドキドキしながらしかし、決意を持って待っていた。

そこに彼女が、北野真美が来た。

「ごめんなさい、少し遅くなって。」

北野は淡々と言うと、

「いや、大丈夫。」

錦戸は答えた。

「・・・。」

「・・・。」

「・・・あのさ、北野さん。」

沈黙を破って、錦戸は言った。

「はい。」

と、北野は答えた。

「・・・。好きです。僕と付き合って下さい。」

「・・・ありがとう。気持ちは嬉しいわ。」

「えっ、じゃあ・・・。」

錦戸は言うと、

「けど、私演劇部なの。」

「・・・う、うん・・・。」

錦戸は躊躇いながら言った。そして、二、三歩北野は錦戸から離れて錦戸から見て後ろを向いた、

「部活も忙しいし、今は部活に打ち込みたいの。男子に構ってられないの。」

「・・・。」

錦戸はただ聞いていた。

「だから・・・。」

「・・・。」

「だから・・・。」

「・・・。」

「ごめ・・・。」

とその時、風がピュッと吹き、彼女のミニスカートが舞い上がった。

「きゃ・・・っ。」

「大丈・・・、えっ?!」

彼女は錦戸から見て、後ろ向きに向いていたからなのだが、彼女のお尻がくっきりと見えた。ノーパンだったのだ。

彼は呆然とした。思考がほぼ停止した。

「・・・、見、見た?」

と、北野は恥じらいながら、けど少し興奮した感じで錦戸を見た。

「・・・えっ?」

錦戸は止まっていた。思考が追いつかない。

「見たよね?」

北野は再度錦戸に言った。

「・・・。」

錦戸は何も言わなかった。

と言うか、感情が先に来て、気持ちは昂ぶっていた。

(な、何が起きている?)

ドキドキ。

(か・・・体が熱い。)

ドキドキ。

(なんで、彼女はノーパンなんだ?)

「・・・、ねぇ。」

「えっ?」

「ねぇ、聞いてるの?」

北野は錦戸に近づいて言うと、

「え?、あっ、はい。」

「・・・見たよね?」

「・・・。」

錦戸はよそ見をして何も答えなかった。

「・・・見たか。」

北野は少し目線を落とした。

「・・・。」

錦戸は彼女を見た。

「・・・誰にも。」

北野は言った。

「えっ?」

錦戸は答えた。

「・・・誰にも言わないで。」

彼女は少し泣き出しそうに、けど頬は赤らめ、口は少しニヤけながら、少し興奮しながら言った。

「・・・。」

錦戸は少し引いた。

「・・・、う、うん。」

けど、錦戸は優しく言った。

「そう、ありがとう。」

北野は後ろを向いたが、少し頬が上がっているのが分かった。

錦戸は少し理解した。

(僕の好きになった人は、少し変態だ。)

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