2017年12月/18冊 積ん読常習犯の【さわるな危険】地帯

 自分が本好きなので、他人の読書傾向はすこぶる気になる。

 ゆえに、作家陣の読書日記などは大好物なわけだが、このたぐいは積ん読体質の者にとって推薦図書ならぬ禁書、【触るな危険】分野であることに、最近になってようやく気づいた。


 先月、三浦しをん女史の『人生激場』を読んでいたおり、女史が「髙村薫先生の新刊が出る!」と不気味な擬音つきで興奮しておられたので、ぱたりと読書脳が止まった。はて? 聞いたことのある作家だけども、なに書いた人だっけ??

 すぐさま本を放り投げ(女史、すみません)パソコンで、困ったときのAmazon検索を始めるなり――


「ぎゅうぉぉぉん♡ 『李歐』じゃん! 『李歐』の人じゃん!!」


 と、女史以上にキモい奇声を発しながら大興奮ハイテンションにおちいる自分がいた。その勢いで次々と同氏の古書をいあさる。

 こうなるともう「ちょっと待て。『李歐』は2013年代【ツン地層】に埋もれているぞ。読んでからにしろ。おいちょっと待て」なんて心の声は聞こえないし、聞く気もない。決済完了の画面を確認、血肉沸き踊る(怖)アドレナリンまみれの高揚感が、ひと段落したところでようやく、またやってもうた……と軽くヘコむ。重くはヘコまない。それから、責任転嫁をおっぱじめる。


「『人生激場』さえ読んでなければ、購うこともなかったのに。女史の莫迦!」


 と、なじるのである。

 その後も順調に女史のエッセイを消化しつつ、Amazon検索しつつ、ネット購入しつつ、積ん読増加しつつ――のデフレ・スパイラル進行中。

 たーすーけーてー。


  三四郎はそれから門を出た/三浦しをん 2017年10月

  スプラウトひとつまみ健康法/鶴見隆史 2017年11月

  仏果を得ず/三浦しをん 2017年10月

  極め道/三浦しをん 2017年10月

  悶絶スパイラル/三浦しをん 2017年10月

  男語おんな語翻訳指南/森瑤子・堀池秀人 2017年9月

  バッド・バッド・ボーイズ/シャノン・マッケナ

             E・Cシーディ ケイト・ノーブル 2017年11月

  シュミじゃないんだ/三浦しをん 2017年10月

  食べてキレイにやせる酵素ダイエット

                 /ナターシャ・スタルヒン 2017年11月

  酵素が免疫力を上げる!/鶴見隆史 2017年11月

  白いへび眠る島/三浦しをん 2017年10月

  キス・キス・キス/シャノン・マッケナ

            ドナ・カウフマン E・C・シーディ 2017年12月

  あのころのデパート/長野まゆみ 2017年11月

  ダブリン・ストリートの恋人たち 上・下/サマンサ・ヤング

  On Dublin Street/Samantha Young

  黒と茶の幻想 上・下/恩田陸 2017年10月


 健康本のたぐいが突如として現れると、持ち主の心(というより体形)の焦りをさらけ出してるようで、恥ずかしい。

 だがしかし、冊数稼ぎのためならば羞恥心をも吐き捨てる。はたしてこれは

読書なのか?(イラスト多し)という疑問をも蹴り捨てる。

 休日は家に引きこもり、食べながらの(←なぜ)読書三昧。そりゃ代謝も落ちるってもんだ。


 積ん読は 消化すれども 肉増加(一句)


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12月の「ちょっと一言云わせて本」

『男語おんな語翻訳指南』


 当然に翻訳指南の本だと思いAmazonでった。届いてみたら違ってた。エッセイ本だった。

 なんじゃこりゃあ! と、しばらくほうっておいたのだが、むしろ早く消化してしまえと読み始めたところ、なんじゃこりゃあ!というほど面白かった。

「……あれ? これって小説じゃないんですよね。体験談なんですよね」と惑う(羨む)こと山のごとしの日常、というか、凡人の目には非日常の連続なのであった。

 

 そんな中、ニューヨークはマンハッタンでのとある出来事をつづった1篇のなかに愕きの1行を見つける。


  トランプを不動産王に仕立てあげ


 奥付を見る。1996年初版発行。それから21年後の2017年に本書を読んでいる

自分は、当然のごとくツっこんだ。

 この人、今、アメリカ大統領やってるよ!!

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