貴方、私の事は大切にしてね

一ノ瀬 彩音

第1話 雨の中

私は今、お暇をしているので外出している。


外出をしているのはいいけど、空を見上げると今にも雨が降りそうだった。


雨が降りそうなのに私は傘を所持していない。


すると雨がポツポツと降ってくると大雨となった。


大雨の中私は歩いているけど、衣服がびしょ濡れになってて下着が丸見えだった。


私は下着が丸見えで恥ずかしいよりもこのまま濡れて風邪をひく方が嫌だった。


誰か傘を貸して欲しい……。


そうしていると一人の男性が私に声をかけてくる。


「大丈夫ですか?」


私は男性に向かってこう言い放った。


「大丈夫じゃありません。傘がないんです」


「傘ないのですか……」


男性は差している傘を私に差し出してこう言ってきた。


「一緒に傘を使いましょう」


「はい」


私と男性は傘を一緒に使っている。


これで私と男性は雨に濡れなくてすむ。


「俺の家がここから近いので行きましょう」


「はい、わかりました」


私と男性は男性のお宅に歩いて向かっている。


向かっている最中、二人はお話もせずに無言だった。


私のお名前は西園寺小鳥さいおんじことり、年齢25歳で職業は無職です。


しばらく歩いていると男性のお宅に到着する。


「うわぁ、すごいお屋敷ですね」


「まぁ、お屋敷に住んでるといっても大したことじゃないよ」


「そ、そうなんですか……」


私は正直驚いている。


この男性は一体何も何だろうかと……。


「貴方はびしょ濡れなので早く屋敷の中に行きましょう」


「はい」


私と男性は屋敷内に入ると歩いて玄関まで行くとそこで二人は靴を脱いで中へあがる。


あがると男性がこう言ってきた。


「客間があるのでそこまでご案内します」


「はい」


私と男性は歩いて客間へと向かうことにした。


客間に到着すると男性が私にこう言ってきた。


「すまないがそこの椅子に座って待っててくれ」


「はい」


私は高級そうな椅子に座って待つ事にした。


男性は客間から出ると何処かに行ってしまった。


しばらくすると男性は手にバスタオルを持って客間に

入ってくる。


「これを使ってくれ、それと衣服を脱いでくれな」


「はい」


私は男性に言われた通り、濡れた衣服を脱いだ。


「パンツとブラジャーも濡れているな、脱いでくれ」


「は、はい」


私はパンツとブラジャーも脱いだ。


すると私は恥ずかしい格好をしているのですぐにバスタオルを身体に巻いた。


「その何だ、君は綺麗な人だな」


「あんまりじろじろと見ないで下さい」


「す、すまない……」


男性は私の濡れた衣服と下着を手に持つと客間から出ていった。


すると男性は客間に戻ってくるとこう言い放ってきた。


「君の衣服と下着は今、洗濯機で洗って乾燥をしているから、

終わるまで待っててくれ」


「はい」


「それより何で傘も持たずに歩いていたんだ?」


「それは……」


「ごめん、無理に言う必要はないよ」


「は、はい」


「自己紹介がまだだな、俺の名前は響晃ひびきあきら、年齢28歳、職業は御曹司だ」


「御曹司だったのね」


「そうだ」


「それにしてもどうして私を助けたの?」


「その前にお名前を聞かせてくれ」


西園寺小鳥さいおんじことり、年齢25歳、職業が無職」


「なるほどな、助けた理由は西園寺さんが困っているからだ」


「そうですか」


それにしても優しい人。


私は惚れちゃいそうかも……。


さてと、私はこの後どうしようかな。


何処にも行く当てはない。


響さんに相談してみよう。


「あの、失礼だと承知でお話をします」


「何かな」


「言いづらいんですが、このお屋敷に住ませてもらえませんか?」


「どうして何だ?」


「私は最近、住む場所がないので」


「そういう事か」


「ごめんなさい、無理ですよね、忘れて下さい」


「いやっ、この屋敷に住ませるのはいいがその代わりに屋敷内でお仕事をしてもらうけど、

いいかな」


「はい」


「なら、この客間を使うといいよ。この客間はお客が来たように使うお部屋だが、

今はそんな来客はないからな」


「あ、ありがとうございます」


私はこれからこのお屋敷で暮らす事になる。


それはとても喜ばしい事だった。


これでこの響さんと仲良くなって恋人となるんだ。


屋敷内のお仕事は何なのかは知りませんが頑張ります。


これから響さんの事を知っていかないとね。

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